「エフクトレロ 未来の記憶を持つ子どもたち」

第14話:島の核心へ
祭壇の奥へ進む

赤い石を元の場所に戻すと現れた新たな道。子どもたちは奥へ進むことを決意した。道は狭く暗く、緊張感が漂う中、エールがたいまつを掲げて先導する。

「これ、どこまで続いてるんだ……?」フライが小声で呟く。

「きっとこの島のすべての謎が解ける場所に繋がってる。」ローザが冷静に言った。

「でも、ここで見つけたことが本当に私たちの助けになるのか……」クリムが不安げに呟く。

「信じよう。これまで一緒に乗り越えてきたんだ。最後も絶対大丈夫だ!」エールが力強く仲間を励ました。

光に包まれた空間

道を進むと突然視界が開け、巨大な空間にたどり着いた。天井は透明なようで、外の空が見える。中央には3つの石をはめ込む台座があり、周囲には無数の模様や文字が輝いていた。

「これが……島の中心?」トロイが息を呑む。

「きっと、3つの石を使うことで何かが起きる。」ローザが台座を指差す。

「でも、起こすべきかどうかが問題だ。」レンジが慎重に言った。

3つの石を台座にセット

子どもたちは話し合い、青、緑、赤の石を台座にセットすることを決めた。それぞれが石を持ち、順番に置いていく。

青い石をセットすると、空間全体が温かい光に包まれた。次に緑の石がセットされると、冷たく清涼な風が吹き抜けた。そして最後に赤い石がセットされると、台座が激しく振動し、光が全方向に広がった。

島の記憶が語られる

光が収まり、台座の上にホログラムのような映像が浮かび上がった。それはこの島の過去を映し出すもので、かつて島に住んでいた人々の生活と、彼らがこの石を守っていた理由が語られていた。

「この島は、地球全体の自然エネルギーを調整する装置の一部だったみたい。」ローザが驚きながら説明した。

「だから、この石を乱用すると世界全体に影響が出る……そういうことか?」レンジが理解を深める。

「でも、どうして人々は島を去ったんだ?」フライが疑問を投げかける。

映像は、島が大きな天災に見舞われたことを示していた。石の力を守るために人々は島を離れ、島自体を自然に任せる形で封印したのだ。

試練の開始

映像が消えると、突然台座が再び輝き出した。空間の中にいくつもの光の球体が浮かび上がり、子どもたちの周囲を回り始めた。

「これは……試されてる?」トロイが周囲を見渡す。

「きっと、石を使う資格があるかどうかを試してるんだ!」エールが叫んだ。

光の球体は子どもたち一人ひとりの前に現れ、それぞれに問いかけるように揺らめいた。

子どもたちの選択

エールには「自分がリーダーとして仲間を導く責任を果たせるか?」と問うように、光が揺れる。

ローザには「知識を力として使うのか、それとも破壊するのか」と問いかけるかのように光が反応する。

フライ、クリム、トロイ、レンジにもそれぞれに課題が示されるような形で光が動き、全員が心の中で自分の答えを出していく。

試練を乗り越える

子どもたちはそれぞれ自分の選択を胸に抱え、光の球体に手を差し伸べた。すると、光が台座に吸い込まれ、空間全体が再び静けさに包まれた。

「これで……終わったのか?」エールが息を切らしながら言う。

「たぶん、私たちが島の力を使う資格があるって認められたのかも。」ローザが微笑む。

島が動き出す

台座からは柔らかな光が放たれ、島全体が震えるような音を立てた。その瞬間、外の世界が一変した。空がさらに澄み渡り、海が輝くように反射している。

「島が蘇ったみたいだ……!」クリムが目を輝かせた。

「でも、まだ終わりじゃない。この力をどう使うかが重要なんだ。」エールが静かに言った。


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