「エフクトレロ 未来の記憶を持つ子どもたち」
第2話:水を求めて
朝日が水平線から昇るとともに、6人の子どもたちは新しい一日を迎えた。エールが真っ先に立ち上がり、皆を元気よく呼び起こす。

「おーい、起きろ! 今日は水を探しに行くぞ!」

「いきなり元気すぎない?」ローザが目をこすりながら立ち上がる。

「でも、水がないと確かにヤバいわね。喉もカラカラだし。」クリムが唇を舐めるようにして同意した。

探索計画

レンジが手で簡単な地図を描きながら、全員に説明を始める。

「昨日見た限り、森の奥のほうは少し緑が濃かった。あっちに水源がある可能性が高い。3人ずつ分かれて探索しよう。」

「オレはフライと行く! ジャングルの探検だな!」エールは拳を振り上げ、フライもその元気に釣られてうなずく。

「じゃあ、私とクリム、レンジで別の方を見てみるわ。」ローザが冷静に提案する。

「残るトロイはどうする? 島の動物を追いかけてたほうが水の近くに行けるかも。」クリムが言うと、トロイは目を輝かせた。

「任せて! 動物たちが道を教えてくれる気がする。」

こうして、3人ずつに分かれて水を求める冒険が始まった。

フライの運動神経が光る

エールとフライのチームは、木々が生い茂る森の奥へ進んでいた。フライは高い木に登りながら、周囲を見渡す。

「エール! あっちに鳥が群れで飛んでる! 水場の近くかも!」

「さすがフライ、運動神経抜群だな!」エールは彼を見上げて笑う。

フライが見つけた方向へ進むと、葉が濡れている木々が現れた。その足元には、わずかながら水が溜まっている場所があった。

「これだ! やったな!」エールが叫び、フライとハイタッチを交わす。

ローザの科学的観察

一方、ローザ、クリム、レンジのチームは慎重に地形を観察しながら進んでいた。ローザは小さな凹みや湿り気を見逃さず、クリムが見つけた植物を指差した。

「この草、根っこが水を含んでるかも! 花屋だった時に似たようなのを扱ったことがある。」

「じゃあ掘ってみようか。」レンジが冷静に指示を出し、3人は根っこを掘り起こした。結果的に少量の水が得られたものの、飲めるほどではなかった。

「ここじゃダメね……。」ローザがため息をつくと、レンジが軽く肩を叩いた。

「でも前進あるのみだ。次に行こう。」

トロイの感性が光る

トロイは動物たちを追いかけて森の奥へ進んでいた。小鳥が木々の間を飛び回り、ウサギのような小動物が葉の下で跳ねる。

「ここに水があるはず……きっと近い!」トロイが呟いたその時、彼の前に現れたのは大きな水たまりだった。表面には小鳥たちが水を飲んでおり、明らかに飲料可能な水源に見えた。

合流と成果

夕方、全員が最初のシェルターに戻った。各チームが探索した成果を報告し、最終的にトロイの見つけた水場が全員の希望となった。

「さすがトロイ! 動物の動きを追ったらこんなにいい場所が見つかるなんて!」エールが手を叩いて褒める。

「これでなんとかなるわね。でも水場を確保しただけで終わりじゃない。どうやって保存するか考えなきゃ。」ローザが釘を刺す。

夜の語らい

この日も夜が更ける中、トロイが優しい歌を歌い、全員の心を和ませた。歌詞には「困難を乗り越える勇気」が込められており、エールたちの胸に響く。

「オレたち、すごいチームだよな。」エールが笑いながら言うと、全員が頷く。

「この調子で、明日も頑張ろう!」レンジが冷静にまとめ、この日は幕を閉じた。

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