「エフクトレロ 未来の記憶を持つ子どもたち」

第5話:倒木から生まれる新たな希望
倒木を活用しよう!

嵐の翌朝、子どもたちは倒木や流木が島中に散らばる光景を目の当たりにした。森の中には折れた枝や幹が積み重なり、浜辺には大量の流木が漂着している。

「これ、ただ片付けるだけじゃもったいないな。」エールが腕を組んで呟いた。

「そうね。何かに使えないか考えましょう。」ローザがすぐに同意する。

「例えば、もっと頑丈なシェルターを作るとか?」フライが提案すると、レンジが頷いた。

「それはいい案だ。大きな幹を使えば風にも耐えられるシェルターになる。」

「あと、倒木から道具も作れるかも。」クリムが木の繊維を触りながら言う。「この木、削れば縄とか作れそうよ。」

木材を活かした作業開始

全員で作業を分担することになった。エールとレンジは大きな幹を運び、フライが小さい枝を集める。ローザとクリムは倒木の強度を確認しながら、加工できそうな部分を切り分けた。

「この枝を組み合わせて道具を作れるか試してみるわ。」ローザは科学者らしい発想で、木の枝と流木を使って簡易なトングやフックを作り始めた。

トロイは周囲を探索しながら、小動物の動きを観察していた。「あの鳥たち、何か食べ物を見つけてるみたいだよ!」

「トロイ、お前のおかげでまた食料のヒントが増えるな!」エールが笑いながら声をかける。

新しいシェルターの完成

夕方までかけて作業を進め、子どもたちは新しいシェルターを完成させた。倒木の幹を組み合わせて作った壁は以前よりも頑丈で、雨風をしっかり防げる設計になっていた。

「これなら次の嵐も乗り越えられる!」フライが嬉しそうに声を上げた。

「でも、もっと工夫が必要ね。」ローザは冷静に言った。「例えば、火を安全に使える場所とか、食料を保存するスペースとか。」

「それなら、次は保存食を作るのを目標にしよう!」エールが次の計画を提案した。

夜の語らい:過去の記憶と未来への希望

その夜、焚き火を囲んで子どもたちはゆっくり話をした。

「前世の記憶がなかったら、こんなにうまくやれてないよな。」エールがぼんやりと呟く。

「そうね。でも、前世の記憶だけじゃなくて、今の私たちの力もすごく大事だと思う。」ローザが火を見つめながら言った。

「確かに、今の俺たちだからこそ、こうやって力を合わせられるんだよな。」トロイが優しく微笑む。

クリムは少し照れたように、「ま、みんなが頑張るなら、私も頑張るけどね。」と小声で言った。

新たな問題の予兆

翌朝、子どもたちが起きると、島の奥から奇妙な音が聞こえてきた。それは動物の鳴き声とも違う、不気味な音だった。

「何だ、あれ……?」フライが耳を澄ます。

「何か大きな動物かもしれない。気をつけたほうがいい。」レンジが慎重に言う。

「よし、みんなで調査しに行こう!」エールが勢いよく言うと、全員が準備を始めた。

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