「エフクトレロ 未来の記憶を持つ子どもたち」

第6話:森の奥の謎
不気味な音の正体

奇妙な音に誘われるように、6人は森の奥へと足を進めた。音の正体を確かめるために全員が緊張した面持ちで慎重に歩く。

「この音、どんどん近くなってるな……。」フライが耳を澄ます。

「もしかして危険な動物がいるのかも。」ローザが心配そうに呟く。

「大丈夫だよ、みんなでいれば怖くない!」エールは仲間を励ますように力強く言った。

音の源に近づくと、森の中に異様な空間が広がっていた。倒木が積み重なり、その隙間から風が吹き抜けて奇妙な音を奏でていた。

不思議な空間の発見

「これ……ただの風の音みたいだな。」レンジが観察しながら言った。

「でも、ここって何かおかしいわ。」クリムが足元を指差す。

地面には人工的に並んだような平らな石板があり、苔むしてはいるものの、明らかに自然にできたものではなかった。

「誰かがここを使ってたのかな?」トロイが不思議そうに首をかしげた。

「とにかく、この場所を拠点にするのもありかもな。風通しもいいし、何か役に立つかもしれない。」エールはこの空間を新たな利用価値として捉えた。

新たな挑戦:石板の利用

ローザが石板を調べていると、「これ、平らだから調理台に使えるわ!」とアイデアを思いつく。

「ここで何か料理を作れるかもしれないな。」エールが笑顔で同意する。

「保存食を作るには、火がもっと長時間安定して燃えるように工夫がいる。」レンジが冷静に言った。

「そのためには、乾燥した木材が必要ね。私、探してくるわ。」クリムが積極的に動き始めた。

保存食作りの挑戦

子どもたちは協力して保存食作りに挑戦することになった。ローザが考案したのは、果実を乾燥させて保存できるようにすることだった。

「この果実を薄く切って、火でじっくり乾燥させるの。」ローザが説明すると、フライが器用に果実を切り始める。

トロイが動物を追いかけて見つけた木の実も加え、次第に保存食が完成していく。

「これで少しは安心だな!」エールが満足げに果実を眺めた。

新たな危険の兆し

作業が一段落したその夜、再び奇妙な音が森の奥から聞こえた。しかし、今度の音は昼間の風の音とは違い、何かが地面を這うような鈍い音だった。

「なんだ、また変な音だぞ……!」フライが身構える。

「昼間の場所じゃないわね。もっと奥の方から聞こえてる。」ローザが音の方向を指差す。

「様子を見に行くか?」エールが提案するが、レンジが冷静に制止した。

「暗い中で動くのは危険だ。明るくなってから探ろう。」

子どもたちは音の正体を想像しながら、眠れぬ夜を過ごした。

翌日の探索計画

朝になり、再び全員で音の正体を探るために行動を開始した。森の奥へと進む子どもたちの前に、予想外の光景が広がっていた。

そこには人が作ったと思われる崩れかけた建物のような構造物があり、その中から不気味な音が響いていた。

「これ……何だ?」エールが驚いた声を上げる。

「前世の記憶が役に立つかもしれないわね。」ローザが慎重に建物を調べ始めた。
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