「エフクトレロ 未来の記憶を持つ子どもたち」

第7話:廃墟の秘密
謎の建物に足を踏み入れる

「これ、ただの岩とかじゃないよな……建物っぽい。」エールが廃墟のような構造物を見上げた。

「崩れてるけど、明らかに人が作ったものね。」ローザが苔むした壁を指でなぞる。

構造物の中から響く不気味な音は、風の音でも動物の鳴き声でもなく、何かが時折ぶつかるような鈍い音だった。全員が緊張しながら中を覗き込むと、薄暗い空間が広がっている。

「怖いけど、入らないとわからないよな……!」エールが勇気を出して一歩踏み出した。

中に隠されたもの

廃墟の中は湿っぽく、空気がひんやりしていた。トロイが壁に目を凝らしていると、文字のようなものが見つかった。

「これ、誰かが彫ったみたいだ。読める?」トロイがローザに聞く。

「文字っぽいけど、古いから読みにくいわね。でも、人がここにいた証拠よ。」ローザが観察しながら答える。

その時、レンジが奥の方で何かを見つけた。「これ……蓋みたいなものだ。下に何か隠れてるかも。」

謎の地下室の発見

全員で力を合わせて蓋を動かすと、地下へ続く階段が現れた。湿気とともに、さらに不気味な音が近づいてくる。

「なんか嫌な感じがするけど、進むしかないよな……!」フライが少し怯えながらも前に進んだ。

階段を下りると、小さな部屋にたどり着いた。そこには古びた道具や壊れた木箱が散乱していた。さらに奥には小さな池のような場所があり、そこから音がしている。

「これ、水源かもしれない……けど、何か動いてる?」トロイが目を細めて池を指差す。

池の中に潜む影

子どもたちは池を囲んで音の正体を探ろうとする。すると、突然水面が揺れ、小さな黒い影が跳ねた。

「動物……? いや、何だこれ!」エールが驚く。

それは、魚のような形をした奇妙な生き物だった。全員が身構える中、ローザが冷静に言った。

「この島にだけいる特別な生き物かもしれない。でも危険そうには見えないわ。」

「捕まえてみるか?」フライが慎重に近づき、網代わりに木の枝を使って捕らえた。

謎の魚を調べる

捕まえた生き物は、体が発光しているように見える不思議な魚だった。ローザが詳しく調べた結果、毒性はなさそうだという。

「これ、食べられる可能性があるわ。でも、まず少しだけ試してみたほうがいい。」ローザが慎重に提案する。

全員が相談した結果、魚を焚き火で焼いて少量だけ試食することになった。結果的に、その魚は食べられるどころか栄養価が高く、驚くほど美味しかった。

廃墟の正体

その後、廃墟をさらに調べると、かつて人々がこの島に住んでいた痕跡が次々と見つかった。道具や古い服の一部が見つかり、島の歴史に触れるような気持ちになった。

「この場所、昔の人たちがサバイバルの拠点にしてたんだな。」エールが感心した声を上げた。

「私たちもこの場所を活用できるわ。特にこの池は重要な水源になる。」ローザが力強く言う。

新たな希望

廃墟で見つけた水源と不思議な魚により、子どもたちは食料と水の安定供給に少し希望を見出した。

「これで次の嵐が来ても、少しは安心だな。」レンジが冷静にまとめた。

「よし、次はこの場所を完全に拠点にする準備をしよう!」エールが声を張り上げた。

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