「エフクトレロ 未来の記憶を持つ子どもたち」
第8話:島全体を探索せよ
廃墟を拠点化する準備
廃墟で見つけた水源と食料の可能性は、子どもたちにとって大きな希望となった。エールは新しいリーダーシップを発揮し、全員に役割を振り分ける。
「よし、まずはこの廃墟を完全に拠点にする準備を進めよう! シェルターをもっと頑丈にして、道具も作り直すんだ。」
「その間に島全体をもっと詳しく探索するべきね。ここ以外にも何かあるかもしれない。」ローザが冷静に提案する。
「オレ、フライと一緒に探索に行く!」トロイが元気よく手を挙げた。
「じゃあ私はレンジと廃墟の補強をするわ。もっと頑丈にするにはこの木材を使えそう。」クリムが廃墟の周りに散らばる倒木を指差す。
探索チームの冒険
エール、フライ、トロイの3人は島の奥深くへと足を踏み入れた。森の中を進むと、これまで見たことのない大きな木々が立ち並ぶ区域にたどり着いた。
「なんだ、この木? すごい太いな。」フライが木の幹を見上げた。
「この辺り、何か特別な場所っぽいな。」エールが周囲を警戒しながら進む。
すると、トロイが不思議な形をした石を見つけた。「これ、また誰かが置いたものかな?」
石は人工的に積み上げられたように見え、島の住人だった誰かの痕跡を示していた。
新たな洞窟の発見
探索を進めるうち、3人は森の奥で洞窟を発見した。洞窟の入り口には奇妙な模様が彫られており、明らかに自然のものではない。
「なんか怖そうだけど、入ってみるか?」エールが少し緊張しながら提案した。
「もちろん! 冒険だろ?」フライが先頭に立つ。
洞窟の中に入ると、薄暗い空間の中にいくつかの古びた木箱が見つかった。中を開けると、工具や瓶詰めのようなものが出てくる。
「これ、まだ使えるかも!」トロイが興奮気味に声を上げる。
瓶詰めの中には干し肉のようなものが入っており、かなり古びてはいるが食べられそうだった。
廃墟チームの成果
一方、ローザ、クリム、レンジの3人は廃墟をより使いやすい拠点にするために作業を進めていた。
「この壁、補強するにはロープが必要ね。でも、森で見つけたツタを使えば代用できるわ。」ローザが計画を立てる。
「それなら私がツタを探してくる。」クリムが植物の知識を活かして周囲を探し始めた。
「ここに食料を保存するスペースも作るべきだな。」レンジは見つけた木箱を使って簡易の棚を組み立てた。
再会と共有
夕方、探索チームが廃墟に戻り、洞窟で見つけた工具や干し肉をみんなに見せた。
「これ、すごい発見だな! この工具があればもっとしっかりしたシェルターを作れる!」エールが興奮気味に語る。
「干し肉も保存が効くわね。でも、少しずつ食べないとすぐになくなる。」ローザが冷静に提案する。
夜の計画会議
夜、焚き火を囲んで全員が集まり、これからの計画を話し合った。
「この島、まだまだ秘密が隠れてる気がする。」トロイが呟く。
「明日は洞窟の奥をもっと調べよう。それに、島の反対側もまだ見てないし。」エールが次の探索を提案した。
「それなら、私たちは拠点をさらに強化して、みんなが帰る場所をもっと安全にするわ。」クリムが力強く言った。
新たな謎と期待
洞窟で見つけた古い道具や干し肉は、かつてこの島に人が住んでいた確証を与えた。しかし、なぜその人々がいなくなったのか、そしてこの島に隠された秘密は何なのか――子どもたちはさらなる冒険への期待を胸に抱きながら、眠りについた。