「エフクトレロ 未来の記憶を持つ子どもたち」

第9話：洞窟の奥に眠る秘密
再び洞窟へ

翌朝、エール、フライ、ローザの3人は再び洞窟の奥へ進むことにした。トロイとレンジは廃墟の拠点で待機し、クリムは新たな食料を探すため別のエリアへ出発した。

「今回は洞窟の奥をしっかり調べるぞ！」エールが気合を入れる。

「何があるか楽しみだな。でも、慎重に進まないと危ないぞ。」ローザが冷静に忠告する。

フライが先頭を歩きながら、持ってきた枝に布を巻きつけた即席のたいまつで足元を照らした。

洞窟の奥の奇妙な構造

洞窟の奥に進むと、壁にはさらに複雑な模様が彫られていた。そこには何らかの文字や図形が並び、不気味な雰囲気を醸し出している。

「これ、誰かが意図的に彫ったものだな。」ローザが指で模様をなぞる。

「なんだか古代の地図みたいにも見えるぞ。」フライが興奮気味に声を上げる。

「もしかして、この島全体の地形を表してるのかもしれない。」ローザが模様を観察しながら推測する。

壁の模様を調べていると、エールがさらに奥の小部屋のような空間を発見した。

小部屋での発見

その小部屋には、崩れた木箱や古びた布が散乱していた。奥の方には石で作られた大きな台座があり、その上には金属製の器具のようなものが置かれていた。

「これ、何だ……？」エールが器具を手に取る。

「多分、何かを測定するための道具よ。」ローザが興味深そうに器具を覗き込む。

「ここに残されてるってことは、昔の人たちがこれを使って何かを研究してたんじゃないか？」フライが疑問を投げかける。

さらに台座を調べると、下には引き出しのような仕掛けが隠されていた。

引き出しに眠る秘密

引き出しを開けると、中には分厚いノートと何枚かの地図が入っていた。ノートにはびっしりと文字が書かれていたが、古い言語で書かれているため、内容はすぐには理解できなかった。

「これ、貴重な手がかりになりそうね。でも、どうやって解読する？」ローザが首をかしげる。

「まずはこれを持ち帰って、他のみんなと一緒に考えよう。」エールがノートと地図を大事に抱えた。

クリムの新たな発見

一方、森で植物を探していたクリムは、珍しい果実を見つけた。小さく赤い実で、表面は少し硬そうだったが、花屋の知識から「これは安全に食べられる」と判断した。

「これだけあれば、しばらくの食料には困らないわね。」クリムは果実を布袋に詰めながらつぶやいた。

帰り道で小川を見つけ、水を汲むための簡易フィルターを作り、飲み水の確保にも成功した。

全員の合流と相談

夕方、全員が拠点に戻り、それぞれの発見を報告した。エールたちはノートと地図を見せ、クリムは赤い果実と新たな水源を共有した。

「これ、何かすごい秘密が隠されてそうだな。」トロイがノートを眺めながら言った。

「この地図、島全体を示してるみたい。でも、この印は何を意味するのかしら？」ローザが地図を指差す。

「次はこの印の場所を探ってみよう！」エールが新たな探索の目標を決めた。

夜の語らい

焚き火を囲みながら、子どもたちはそれぞれの思いを語り合った。

「この島にはまだまだ秘密がある。全部解き明かして帰ろうぜ！」エールが笑顔で言う。

「でも、無理は禁物よ。みんなで慎重に進めましょう。」ローザが注意を促す。

「明日は新しい果実でお祝いだな！」フライが果実を手に取って笑った。