初恋の貴方へ。今伝えたい想いがあります。

1.



ぼさぼさな髪を結んで、薄いメイクを施して、私は新しい制服に身を包んだ。
誰もいない家に「行ってきます。」だけを残してドアを閉めた。
いつも通りの景色がいつも通りではなく感じる。
期待を胸に、私は高校へ向かう。
「楽しみだなぁ〜。友達出来るかな。」
ひとりでにぽつり、と呟く。
誰も聞いていないと思っていたため、私は深い溜め息をついた。
———あの二人がいる事なんて、知るよしもなく。


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