初恋を運命と呼びたい
 どうしてここにいるのだろう?
 
 そんな思いよりも偶然の出会いのほうが嬉しくて、思わず駆け寄りそうになる私の足が止まったのは、彼の隣にきれいな女性が寄り添っていたからだ。

 (ああ、そういうことか……)

 都合が悪くなったなんて適当な理由で、ただ他の女性とのデートを優先されてしまったのだ。
 そう気づき呆然としていると、大翔くんがこちらに気づき驚いてみせた。
 そして隣にいた女性を置いて、あわてるように私の元へと駆け寄って来る。
 
「……めぐ!」

 いつもの呼び方で私の名前を呼んで、あっという間に目の前に立った彼は私に目線を合わせると「……ごめん」と呟いた。

「……もういいよ。本気じゃないなら好きだなんて言って欲しくなかった」
「え……!?いや!俺、めぐのこと好きだよ?大好き!あれ、今一緒にいるの俺の姉ちゃん!」
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