嘘~偽彼女の秘密~
パチン。


痛みにつられ左頬を手でかばう。


「貴方が悪いのよ」


たぶん、人を叩いたことがないのだろう。


自分の手の痛みに、動揺して責任をなすりつける。


「謝ってもらえれば叩いたことはなかったことにして差し上げます」


「な、あなたが悪いんじゃない。私が謝るわけないでしょ」


「そうですか」


「な、何よ」


「いえ、先輩はどうも要注意人物なようですから、顔を覚えておこうかと。」


じっと、見つめる私に顔をそむけ去っていく。



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