嘘~偽彼女の秘密~
「噂どおり、勤労少女なんだ」


「はい。勤労少女です。ご理解いただけたなら帰らせていただきます」


彼の言葉を借り、軽くあしらうと、踵を返す。


この学校でバイトをしているのはたぶん私くらい。


学校が禁止しているわけではなく。


バイトという単語を知らない人もいるかもしれないというくらいのお金持ち学校。


私がこの学校に入学したわけは、2つある。


1つは、祖父との約束。


2つ目は、特待生という特典を使うと学費及び学校整備費、寮費がただになること。


まぁ、そんな制度を使うのは金持ち連中には恥だと思われているようで、学校創立以来私が初めてだ。

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