裏稼業殺し屋の聖職者はうっかり取り憑かれた悪魔から逃げ切りたい!?
「って、何でお前まで着いてくる」
「せっかくなので日用品や衣服も揃えて頂こうかなって♪」
可愛いお洋服も着たいですしと鼻歌交じりにウィンドウを眺めるパトリシア。
勝手に居着いたくせに、自由か。と舌打ちしたくなったグレイだったが。
「花の10代。本当はたっくさん、オシャレしたかったでしょうし」
ショーウィンドウの前でピタリと足を止めそうつぶやくパトリシアが目に留まる。
そこにはパトリシアに似合いそうな鮮やかな水色のワンピースが飾られていた。
「ああ、外はこんなに明るかったのですね! この子にも見せてあげたかったですわ」
一見ただショッピングを楽しんでいそうなそれは、パトリシア本人を悼んでいるようにも見えて。
「……必要なものだけにしろ」
グレイにはパトリシアを止める理由が見つからなかった。
「わぁー旦那さま! 私コレ着たいです」
すっごく可愛い! とパトリシアが指差したのはランジェリーショップ。
そこに飾られているのは露出度が高すぎてもはや着ている意味が分からない夜着。
前言撤回。
コイツは自分の欲望を満たすことしか考えてない。
逃げよう、とグレイが決意して走り出すより早く、
「では、さっそく試着しにGO!ですわ」
そう言って楽しげにグレイに腕を絡ませたパトリシア。
「待て、なんで俺を連れて行こうとする」
嫌そうな顔をしたグレイは強めに抵抗するが、人間とは思えない力(まぁ、実際人間ではないのだが)で引っ張られる。
「良いではありませんか? 旦那さまの好みも知りたいですし」
「良くねぇ! 第一そこは男が入っていい店じゃねぇんだよ」
「そうとも限りませんわ。世の男性は脱がすためにドレスを送ると聞きましたし」
どこ情報だそれは。
100%ないとは言わないが、世の中の男全てを括らないで欲しい。
「だから! 間違ってんだよ、お前の人間情報はっ」
はーなーせーとグレイは全力抵抗するのだが、パトリシアの馬鹿力を前にジリジリとランジェリーショップの入り口に近づいていく。
「まぁ、まぁ、そう言わず。旦那さまも着てみたら新たな扉が開くかもしれませんわ」
双子コーデなるモノをやってみたいのですと楽しげに提案するパトリシアは離す気皆無だ。
が、絶対その扉は開けたくない。
「俺を犯罪者にする気か!?」
「イヤですわ、旦那さまったら。もうすでに旦那さまは立派な犯罪者ではありませんか?」
確かにそうだが、ジャンルが違う!!
そもそも立派な犯罪者ってなんだとツッコミが追いつかない。
「はーなーせぇーー」
パトリシアに誤情報を吹き込んだ奴に遭遇したら絶対一発ぶん殴るとグレイが心に誓ったところで、急にパトリシアが手を離す。
慣性の法則にしたがって倒れかけたグレイは驚異的な身体能力で持ち堪える。
「おい」
いい加減にしろ、とグレイが言うより早く、
「……絶望の、音がする」
そうつぶやいたパトリシアは、
「ああ、美味しそうですわ」
恍惚とした目で走り出した。
「せっかくなので日用品や衣服も揃えて頂こうかなって♪」
可愛いお洋服も着たいですしと鼻歌交じりにウィンドウを眺めるパトリシア。
勝手に居着いたくせに、自由か。と舌打ちしたくなったグレイだったが。
「花の10代。本当はたっくさん、オシャレしたかったでしょうし」
ショーウィンドウの前でピタリと足を止めそうつぶやくパトリシアが目に留まる。
そこにはパトリシアに似合いそうな鮮やかな水色のワンピースが飾られていた。
「ああ、外はこんなに明るかったのですね! この子にも見せてあげたかったですわ」
一見ただショッピングを楽しんでいそうなそれは、パトリシア本人を悼んでいるようにも見えて。
「……必要なものだけにしろ」
グレイにはパトリシアを止める理由が見つからなかった。
「わぁー旦那さま! 私コレ着たいです」
すっごく可愛い! とパトリシアが指差したのはランジェリーショップ。
そこに飾られているのは露出度が高すぎてもはや着ている意味が分からない夜着。
前言撤回。
コイツは自分の欲望を満たすことしか考えてない。
逃げよう、とグレイが決意して走り出すより早く、
「では、さっそく試着しにGO!ですわ」
そう言って楽しげにグレイに腕を絡ませたパトリシア。
「待て、なんで俺を連れて行こうとする」
嫌そうな顔をしたグレイは強めに抵抗するが、人間とは思えない力(まぁ、実際人間ではないのだが)で引っ張られる。
「良いではありませんか? 旦那さまの好みも知りたいですし」
「良くねぇ! 第一そこは男が入っていい店じゃねぇんだよ」
「そうとも限りませんわ。世の男性は脱がすためにドレスを送ると聞きましたし」
どこ情報だそれは。
100%ないとは言わないが、世の中の男全てを括らないで欲しい。
「だから! 間違ってんだよ、お前の人間情報はっ」
はーなーせーとグレイは全力抵抗するのだが、パトリシアの馬鹿力を前にジリジリとランジェリーショップの入り口に近づいていく。
「まぁ、まぁ、そう言わず。旦那さまも着てみたら新たな扉が開くかもしれませんわ」
双子コーデなるモノをやってみたいのですと楽しげに提案するパトリシアは離す気皆無だ。
が、絶対その扉は開けたくない。
「俺を犯罪者にする気か!?」
「イヤですわ、旦那さまったら。もうすでに旦那さまは立派な犯罪者ではありませんか?」
確かにそうだが、ジャンルが違う!!
そもそも立派な犯罪者ってなんだとツッコミが追いつかない。
「はーなーせぇーー」
パトリシアに誤情報を吹き込んだ奴に遭遇したら絶対一発ぶん殴るとグレイが心に誓ったところで、急にパトリシアが手を離す。
慣性の法則にしたがって倒れかけたグレイは驚異的な身体能力で持ち堪える。
「おい」
いい加減にしろ、とグレイが言うより早く、
「……絶望の、音がする」
そうつぶやいたパトリシアは、
「ああ、美味しそうですわ」
恍惚とした目で走り出した。