【完結】傷モノ令嬢は冷徹辺境伯に溺愛される
「エドガー様、お待たせしました」
エドガーが用意してくれたドレスやヒール靴を履き、侍女のシーナに髪をアップにして編み込んでもらった。しっかりと化粧も施しているせいで、いつもよりも大人びて見える。
(少しでも可愛いと思ってもらえたらいいのだけれど……)
エドガーはアイリーンの姿を見て「……ああ、いいんじゃないか」と意外にもあっさりとアイリーンから目を反らしてしまった。エドガーは頑なにアイリーンを見ようとしない。
昨日愛を伝え合ったときとは全く違うよそよそしいエドガーの態度を不思議に思う。
(似合わなくて呆れられてしまったのかしら……?)
すると、それを隣で見ていた執事のルシアンはやれやれと息を吐き、「エドガー様、アイリーン様のどんなところがいいと思われたのですか?」と尋ねる。
「いいところ……化粧をしているせいか、いつもよりも大人びて見えて新鮮だ。ドレス姿も、まるで咲き始めの薔薇のように可憐で美しい。髪を上げているのも可愛らしい。それから細い首筋が色っぽくて、それに――」
エドガーは水を得た魚のようにすらすらと言葉を紡ぐ。
「長くなりそうなので、もう結構です。今のように心の中の呟きを素直にお伝えすればいいのですよ」
「おい、ルシアン! 余計なことを言うな」
「なにをおっしゃいますか。あまりにもじれったいので私が手助けしてあげているというのに」
「そんなものはいらない!」
「はいはい、承知しました」
エドガーとルシアンが口論している隙に、侍女のシーナがアイリーンに耳打ちした。
「エドガー様、とても喜んでいらっしゃいますね!」
「シーナのお陰よ。ありがとう」
アイリーンは侍女のシーナに笑顔でお礼を言った。
エドガーが用意してくれたドレスやヒール靴を履き、侍女のシーナに髪をアップにして編み込んでもらった。しっかりと化粧も施しているせいで、いつもよりも大人びて見える。
(少しでも可愛いと思ってもらえたらいいのだけれど……)
エドガーはアイリーンの姿を見て「……ああ、いいんじゃないか」と意外にもあっさりとアイリーンから目を反らしてしまった。エドガーは頑なにアイリーンを見ようとしない。
昨日愛を伝え合ったときとは全く違うよそよそしいエドガーの態度を不思議に思う。
(似合わなくて呆れられてしまったのかしら……?)
すると、それを隣で見ていた執事のルシアンはやれやれと息を吐き、「エドガー様、アイリーン様のどんなところがいいと思われたのですか?」と尋ねる。
「いいところ……化粧をしているせいか、いつもよりも大人びて見えて新鮮だ。ドレス姿も、まるで咲き始めの薔薇のように可憐で美しい。髪を上げているのも可愛らしい。それから細い首筋が色っぽくて、それに――」
エドガーは水を得た魚のようにすらすらと言葉を紡ぐ。
「長くなりそうなので、もう結構です。今のように心の中の呟きを素直にお伝えすればいいのですよ」
「おい、ルシアン! 余計なことを言うな」
「なにをおっしゃいますか。あまりにもじれったいので私が手助けしてあげているというのに」
「そんなものはいらない!」
「はいはい、承知しました」
エドガーとルシアンが口論している隙に、侍女のシーナがアイリーンに耳打ちした。
「エドガー様、とても喜んでいらっしゃいますね!」
「シーナのお陰よ。ありがとう」
アイリーンは侍女のシーナに笑顔でお礼を言った。