【完結】傷モノ令嬢は冷徹辺境伯に溺愛される
「どうぞ素敵な初夜をお過ごしくださいませ」
シーナは頭を下げて去っていく。寝室の奥にある寝台の上にエドガーの姿があった。エドガーは緊張してどうしたらいいのか分からず立ち尽くす彼女を気遣って、寝台を降りて歩み寄った。薄いナイトドレスしか纏っていない姿をエドガーに見られるのが恥ずかしくてアイリーンは顔を赤らめて俯く。
「アイリーン、おいで」
エドガーはアイリーンの気持ちを察したのか、彼女の手を掴んで寝台まで連れてきた。寝台に揃って座った頃には、アイリーンは緊張でどうかなりそうなほどドキドキしていた。
「緊張しているのか?」
「……はい」
「優しくする。だから、俺に全て任せてくれ」
こくりと頷く。性教育は受けてきたし、この寝台でどのようなことが行われるのかはきちんと理解している。
「アイリーン、触れていいか?」
潤んだ瞳でエドガーを見つめてこくりと頷く。少しずつゆっくりと彼の顔が近付いてきて、アイリーンは目を瞑ってその唇を受け入れた。エドガーはキスをしながら、頬から首筋、肩と流れるような動きで撫でつけた。エドガーに触れられている部分がジンジンと熱を帯びる。
(くすぐったいけど、すごく心地いい……)
口づけを繰り返しながら体をなぞられていると、なんだか背中の辺りがゾクゾクしてくる。
「んっ」
思わずはしたない声を漏らしてしまったアイリーンは、はっとして唇を手のひらで覆った。
「大丈夫、我慢しなくていい。アイリーンの声を聞かせてくれ」
エドガーはゆっくりとアイリーンをベッドに押し倒した。その滑らかな動きとエドガーの余裕そうな表情に胸の中にはなぜか複雑な思いが込み上げてくる。
「……どうした?」
すると、エドガーがすぐにアイリーンの表情の変化に気が付いて尋ねた。
「遠慮せずハッキリ言ってくれ」
アイリーンはほんのわずかに眉を下げた。
「エドガー様はわたしと違って余裕があるので、こういう行為にも慣れていらっしゃるのかと……。そう思ったらなんだかすごく複雑な気持ちになってしまいました……」
「それは、ヤキモチを妬いたということか?」
「はい」
エドガーが薄っすら微笑んだ。
「……そうか。だが、心配はいらない。俺が愛しているのはアイリーンだけだ」
エドガーはナイトガウン越しに彼女の手を自身の胸に押し当てた。生地越しにもドクンドクンッという大きな鼓動を感じた。
「愛する女性が今、自分の腕の中にいるんだ。余裕なんてあるわけないだろう」
彼からの愛が伝わってきて、胸が熱くなる。
「一生に一度のこの日を、アイリーンにとって一生忘れられない特別な夜にしたい。だから、余裕ぶってかっこつけているだけだ」
「エドガー様……」
再び唇を奪われ、アイリーンはエドガーに身を委ねた。彼は特別な夜にするという言葉通りアイリーンを丁寧に抱いた。
「愛してる」と繰り返し囁かれ、その度にアイリーンの胸の奥底から愛おしさが込み上げてきた。肌を重ねながら交わす口づけはこれ以上ないほどの幸福感をもたらしてくれた。
アイリーンはこの夜、エドガーに揺るぎない愛を刻み込まれたのだった。
シーナは頭を下げて去っていく。寝室の奥にある寝台の上にエドガーの姿があった。エドガーは緊張してどうしたらいいのか分からず立ち尽くす彼女を気遣って、寝台を降りて歩み寄った。薄いナイトドレスしか纏っていない姿をエドガーに見られるのが恥ずかしくてアイリーンは顔を赤らめて俯く。
「アイリーン、おいで」
エドガーはアイリーンの気持ちを察したのか、彼女の手を掴んで寝台まで連れてきた。寝台に揃って座った頃には、アイリーンは緊張でどうかなりそうなほどドキドキしていた。
「緊張しているのか?」
「……はい」
「優しくする。だから、俺に全て任せてくれ」
こくりと頷く。性教育は受けてきたし、この寝台でどのようなことが行われるのかはきちんと理解している。
「アイリーン、触れていいか?」
潤んだ瞳でエドガーを見つめてこくりと頷く。少しずつゆっくりと彼の顔が近付いてきて、アイリーンは目を瞑ってその唇を受け入れた。エドガーはキスをしながら、頬から首筋、肩と流れるような動きで撫でつけた。エドガーに触れられている部分がジンジンと熱を帯びる。
(くすぐったいけど、すごく心地いい……)
口づけを繰り返しながら体をなぞられていると、なんだか背中の辺りがゾクゾクしてくる。
「んっ」
思わずはしたない声を漏らしてしまったアイリーンは、はっとして唇を手のひらで覆った。
「大丈夫、我慢しなくていい。アイリーンの声を聞かせてくれ」
エドガーはゆっくりとアイリーンをベッドに押し倒した。その滑らかな動きとエドガーの余裕そうな表情に胸の中にはなぜか複雑な思いが込み上げてくる。
「……どうした?」
すると、エドガーがすぐにアイリーンの表情の変化に気が付いて尋ねた。
「遠慮せずハッキリ言ってくれ」
アイリーンはほんのわずかに眉を下げた。
「エドガー様はわたしと違って余裕があるので、こういう行為にも慣れていらっしゃるのかと……。そう思ったらなんだかすごく複雑な気持ちになってしまいました……」
「それは、ヤキモチを妬いたということか?」
「はい」
エドガーが薄っすら微笑んだ。
「……そうか。だが、心配はいらない。俺が愛しているのはアイリーンだけだ」
エドガーはナイトガウン越しに彼女の手を自身の胸に押し当てた。生地越しにもドクンドクンッという大きな鼓動を感じた。
「愛する女性が今、自分の腕の中にいるんだ。余裕なんてあるわけないだろう」
彼からの愛が伝わってきて、胸が熱くなる。
「一生に一度のこの日を、アイリーンにとって一生忘れられない特別な夜にしたい。だから、余裕ぶってかっこつけているだけだ」
「エドガー様……」
再び唇を奪われ、アイリーンはエドガーに身を委ねた。彼は特別な夜にするという言葉通りアイリーンを丁寧に抱いた。
「愛してる」と繰り返し囁かれ、その度にアイリーンの胸の奥底から愛おしさが込み上げてきた。肌を重ねながら交わす口づけはこれ以上ないほどの幸福感をもたらしてくれた。
アイリーンはこの夜、エドガーに揺るぎない愛を刻み込まれたのだった。