向かい側のきみ
はじまり
◯教室。ホームルーム。
黒板に“ 9月15日 球技大会 メンバー ”の文字。

自分のじゃんけんの弱さをここまで恨んだことはない。

向嶋(こうじま)友香子(ゆかこ) 17歳 
6月にソフトボール部を引退した高校3年生

自分のパーにした手を見つめ、固まっている。

テニス、ソフトボール、ビーチバレー、卓球、バスケ、ドッジボール
  
ビーチバレー…向嶋友香子(こうじまゆかこ)三谷心壱(みたにしんいち)

どうせ屋外になるんだったら、ソフトボールの方がマシだったな
  
てかなんで、ビーチ!?バレーだったら中でよくない!?
そんなに隣接ビーチ活用したい!?

友香子、おっかないオーラ出まくり。取り巻きの友達、爆笑。

友達A「よりによって友香子がビーチバレー!!」
友達B「あ、相棒、三谷じゃん!」

友香子、かなり嫌そうな顔で
「え、さいっっあ 「「いーーなーー!!」」」
「え、何が!?」

三谷(みたに)心壱(しんいち) 
同じクラスの元バレー部男子。

三谷「よっしゃ〜、はい、焼き放題、最高〜」
友A「本業て、ずるー、余裕やな」
友B「あれ、しかも三谷、大学でバレー、ビーチに転向するって言ってなかった?」

三谷「そう!俺は焼きたいからその気満々だったけど、そしたら推薦取り消すって言われて、その話無くなったわ」
友B「なんだそれww ま、焼きたいだけで転向するって、許されんかw」
三谷「だけて!立派な理由だし」

友香子、三谷と教室の端と端、目が合う。
三谷、友香子に「よろしく〜」と言い、手を振る。

友香子、苦笑いで手、振り返す。

友香子の友A「イケメンとペアなんて最強やん」
友B「羨ましすぎるわ」

相手がイケメンだろうと、なんだろうと、私には関係ない。


問題なのは・・・




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