向かい側のきみ
三谷「向嶋さ〜ん!準備ばっちり〜?」
友香子「は〜い」


三谷、友香子の全身を見て、

三谷「本番はスニーカーと手袋はのけなきゃだけどOK〜?」

三谷、両手で大きく丸印を作り、体を横に傾ける


薄々は気づいてたけど、やっぱり!?

友香子「は、は〜い・・・」

友香子、しゃがんで靴と靴下を脱ぐ。
三谷、友香子の傍まで走ってき、

三谷「あ、今日は練習だし別にいーよー」

友香子「いいえ、練習の時からちゃんとしなきゃ」

三谷「はは、向嶋さん、真面目なんだね〜!・・・って」
三谷、友香子の日焼け対策を見て、
「どんだけ塗るん!」とツッコミ。

友香子、足の指先までしっかり塗り込む。

友香子「日光に晒す部分はしっかり塗り込むのが鉄則です。」

よし、できた!完璧!

友香子、立ち上がり改めて三谷の方を見る。


改めてまじまじ見たら、ほんと、いっけめんだわ〜

そら、元バレー部だから背は高いけど、それに加えてこの顔面だったらモテるだろう。
さっぴ (友達)たちが騒ぐのは仕方ないなー

あれ?けど彼女いるとか、学年のtheモテ男!には名前を連ねてる感じはないよな・・・


ほーん、と無言で三谷のことを見上げていると、

三谷「向嶋さんって、美黒だね!」

ピッキン。友香子の空気が凍る。

今、なんと?

三谷「いーなー、俺も黒くなりたくてめっちゃ頑張って焼いてるけど全っ然だめ!」

三谷、ゴロンっと砂浜に仰向けになる。

三谷「引退するまでは体育館に閉じ込められて蛍光灯しか浴びれなかったけど、今は太陽光、浴び放題!!
光合成!!紫外線よ、俺の内臓まで入り込め!!」

三谷、うぇ〜い、と言いながら、砂浜をゴロゴロする。


分かった、アホだ。こんなだから、モテ男子認定はされてないんだ。

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