虐げられてきたネガティブ令嬢は、嫁ぎ先の敵国で何故か溺愛されています~ネガティブな私がちょっぴりポジティブになるまで~
「君のこれからについてだが、」
何を言われても大丈夫よ、もうあらゆるパターンを想像してきた。
ネガティブ思考の強い私は、これでもかという程に悪いパターンを想像することに長けている。
第三王女ながらもアレス国で虐げられてきた私が唯一得意なことだ。
私は膝の上の拳をぎゅっと握りしめ、殿下に向き合った。
続く言葉を、静かに待つ。
「君のこれからについてだが、国王から話があった通り、正式に我が妻として迎えようと思っている」
………。
「それに際して、式典も執り行うつもりだ。そこで近隣諸国への発表を予定している」
……………。
「異論はないか?」
……………………え?殿下は今なんと??
「ありますっ!!!」
ぽかんとしていた私が急に前のめりになったので、レオナルド殿下が初めて驚きのような表情を浮かべた。
「異論、あるのか…」
「ありますっ!何故私は処刑されないのでしょうか!?」
「は?何を言っているのだ、君は」
「私はアレスとルプスの和平のためにこの国へとやって参りました。てっきり人質や奴隷として扱われるものとばかり思っていたのです。それなのに…、」