魔女と忌み嫌われた私、売られた隣国で聖女として次期公爵様に溺愛されています
「クンケル侯爵令嬢にも話を聞いたが……彼女は完全に利用されただけのようだな。ジギワルドに決然と拒否されて悄然としていた。まあ、かわいそうだとは思わないが」
「ジギワルド様が取り調べをしたんですか?」
「まあな。自分の名前を使われたことにいたく腹を立てていた。もっとも、クンケル侯爵令嬢の件はあいつがきっぱり拒否しなかったのが悪い。クンケル侯爵令嬢はジギワルドの使いを名乗る男から手紙を受け取ったようだな。手紙にはアリーセ嬢は魔女として罪を償う場所へ連れて行く必要がある、と書いてあったそうだ。その使命があるから結婚が出来ないと書いてあったらしい。それでアリーセ嬢を捕まえれば、ジギワルドと結婚できると考えた」
「考え方が短絡的過ぎますね。貴族令嬢ならもう少し慎重になるべきです」
レナールは呆れたように肩をすくめる。だが、その声音には確実に怒りが込められていた。
「それは同感だよ。もっとも、この先彼女が貴族令嬢でいられるかは少し怪しいが」
これから調査でいろいろなことが判明していくだろうとブラッツは続ける。ジギワルドとも協力して進めているらしい。
最後に、レナールが改めて切り出した。
「殿下。アリーセの件もありましたし、私たちは明日ピリエへ戻ります。外交官は残りますので、用がありましたらそちらに伝えていただければと」
「ああ。残念だが仕方がないな。真実が明らかになったら、知らせよう」
ブラッツとフィンが部屋を去って行く。
「ここはだいたい片付いたから、あとは部屋に戻って荷物をまとめるか」
もともと散らかっていたのは紙のメモ類が中心だったので、メモを片付けた今、部屋はほぼきれいになっている。机などはもともと持ち込まれていたものだ。
「そうですね」
逃げるようにしてラウフェンを去るのは少し残念だが、それでもここに来たことに後悔はない。ロストの鑑定という貴重な経験も出来たし、将来的にはプラスになるだろう。
「ジギワルド様が取り調べをしたんですか?」
「まあな。自分の名前を使われたことにいたく腹を立てていた。もっとも、クンケル侯爵令嬢の件はあいつがきっぱり拒否しなかったのが悪い。クンケル侯爵令嬢はジギワルドの使いを名乗る男から手紙を受け取ったようだな。手紙にはアリーセ嬢は魔女として罪を償う場所へ連れて行く必要がある、と書いてあったそうだ。その使命があるから結婚が出来ないと書いてあったらしい。それでアリーセ嬢を捕まえれば、ジギワルドと結婚できると考えた」
「考え方が短絡的過ぎますね。貴族令嬢ならもう少し慎重になるべきです」
レナールは呆れたように肩をすくめる。だが、その声音には確実に怒りが込められていた。
「それは同感だよ。もっとも、この先彼女が貴族令嬢でいられるかは少し怪しいが」
これから調査でいろいろなことが判明していくだろうとブラッツは続ける。ジギワルドとも協力して進めているらしい。
最後に、レナールが改めて切り出した。
「殿下。アリーセの件もありましたし、私たちは明日ピリエへ戻ります。外交官は残りますので、用がありましたらそちらに伝えていただければと」
「ああ。残念だが仕方がないな。真実が明らかになったら、知らせよう」
ブラッツとフィンが部屋を去って行く。
「ここはだいたい片付いたから、あとは部屋に戻って荷物をまとめるか」
もともと散らかっていたのは紙のメモ類が中心だったので、メモを片付けた今、部屋はほぼきれいになっている。机などはもともと持ち込まれていたものだ。
「そうですね」
逃げるようにしてラウフェンを去るのは少し残念だが、それでもここに来たことに後悔はない。ロストの鑑定という貴重な経験も出来たし、将来的にはプラスになるだろう。