魔女と忌み嫌われた私、売られた隣国で聖女として次期公爵様に溺愛されています
翌日。騎士団の支部の一室に案内されたアリーセは、扉の向こうで待っていたレナールの姿に、わずかに目を見開いた。また会えるなんて思ってもみなかった。
飾り気のない白い壁の部屋。シンプルな木製のテーブルと椅子が四脚あるだけ。
窓を背にして座っていたのがレナールと、初めて見る茶髪の青年だった。
今日のレナールはローブではなく黒い上着にトラウザーズという出で立ちで、スマートな実業家といった雰囲気だ。
その隣の茶髪の青年も、レナールと同じような格好をしている。
「昨日はよく眠れましたか?」
ラウフェン語でのレナールからの問いかけにアリーセはうなずいた。
「はい。おかげさまで」
昨日、騎士団に保護されたアリーセが連れてこられたのがこの騎士団の支部の建物だった。ラウフェン語を解する騎士に簡単な事情聴取を受けたあと、お風呂に入って食事を食べることもできた。ベッドがある部屋に案内してもらったとたん、安心して緊張の糸が切れてしまったらしい。意識を失うようにして眠ってしまい、気づいたら朝だった。
それはよかった、とレナールは表情をやわらげると、アリーセに座るように勧めてくる。アリーセはそれに従って手前の椅子に座った。
隣の茶髪の青年が、興味深そうに二人のやりとりを聞いている。
その表情の意味が気になって茶髪の青年を見ると、彼がにこりと笑った。
「わざわざ呼び出してすまないね」
茶髪の青年から飛び出したのは流ちょうなラウフェン語だった。
「僕はユーグ・ノエ・ルフェーブル。この件の責任者だ。隣にいるのが知っているかもしれないけれどレナール・シェルヴェ。僕の補佐官だ。王宮魔法使いでもある」
飾り気のない白い壁の部屋。シンプルな木製のテーブルと椅子が四脚あるだけ。
窓を背にして座っていたのがレナールと、初めて見る茶髪の青年だった。
今日のレナールはローブではなく黒い上着にトラウザーズという出で立ちで、スマートな実業家といった雰囲気だ。
その隣の茶髪の青年も、レナールと同じような格好をしている。
「昨日はよく眠れましたか?」
ラウフェン語でのレナールからの問いかけにアリーセはうなずいた。
「はい。おかげさまで」
昨日、騎士団に保護されたアリーセが連れてこられたのがこの騎士団の支部の建物だった。ラウフェン語を解する騎士に簡単な事情聴取を受けたあと、お風呂に入って食事を食べることもできた。ベッドがある部屋に案内してもらったとたん、安心して緊張の糸が切れてしまったらしい。意識を失うようにして眠ってしまい、気づいたら朝だった。
それはよかった、とレナールは表情をやわらげると、アリーセに座るように勧めてくる。アリーセはそれに従って手前の椅子に座った。
隣の茶髪の青年が、興味深そうに二人のやりとりを聞いている。
その表情の意味が気になって茶髪の青年を見ると、彼がにこりと笑った。
「わざわざ呼び出してすまないね」
茶髪の青年から飛び出したのは流ちょうなラウフェン語だった。
「僕はユーグ・ノエ・ルフェーブル。この件の責任者だ。隣にいるのが知っているかもしれないけれどレナール・シェルヴェ。僕の補佐官だ。王宮魔法使いでもある」