魔女と忌み嫌われた私、売られた隣国で聖女として次期公爵様に溺愛されています
　翌日、昨日の騒ぎを聞いたフィンが、いろいろと情報を教えてくれた。

　アリーセを魔女だと糾弾した令嬢の名前はミンディ・クンケル。
　クンケル侯爵令嬢である彼女がジギワルドの婚約者候補だったのは確からしい。婚約者の中で一番貴族の位が高いことから、周囲からは王子妃に一番近いと言われていたことも。

　ミンディ本人はすっかりその気になっていたらしいが、ジギワルドはあまり気が進まなかったようで、ミンディが十八になってもなお正式な婚約は結ばれていなかった。
　まあ、確かにあの調子でジギワルドに迫っていたら彼は嫌がるよな、というのがアリーセの正直な感想だ。

　ミンディは、彼が婚約をしてくれない理由をアリーセに求めたのかもしれない。
　娘のやらかしにクンケル侯爵は平謝りで、しばらくは謹慎させるとのことだった。
　彼女がジギワルドと婚約することは絶望的だろう。
　
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