女王陛下は溺愛禁止!
「その発言、不敬で不遜なんだけど……まあいいか」
言った直後、彼はふわりと空中に浮いた。
「これで信じる?」
「魔力を持っているのか?」
「魔力じゃなくって、神の力だよ」
「なぜ封印された? 悲恋とは?」
アンジェリアはあえて尋ねる。
「よくぞ聞いてくれた! 聞くも涙、語るも涙の物語なんだよ」
青年は胸に手を当てて目をそっと閉じて上を向く。
「あれは俺が生まれてまもない頃……人間と違って俺は生まれたときからこの姿なんだけど、あるときひとりの女性に恋をしたんだ。彼女はとても美しくて……そう、君に似ていた」
青年はアンジェリアを見てそう言った。
「それで?」
アンジェリアは顔色を変えることなく促す。
「しかし彼女は既に結婚していたんだ。俺達はお互いに惹かれ合いながらも愛を語り合うことができなかった」
青年は物憂い瞳をアンジェリアに向けるが、彼女は表情を変えない。
「あるとき、国王が外遊に出かけるとのことで、俺は彼女の部屋に忍んで会いに行った。だが、外遊に行っていたはずの国王がそこにいて、俺は彼女をかばって封印された」
彼は大仰に天を仰ぐ。
「そのとき国王は言った。人の妻に懸想するなど許しがたい罪であり永遠に封印してやりたいが、ひとつだけ封印を解く条件をつけてやろう。もしこのさきお前に真実の愛を誓う人間がいたならばこの封印は解かれる、と」
「ほう……?」
アンジェリアは面白そうに目を細めた。
言った直後、彼はふわりと空中に浮いた。
「これで信じる?」
「魔力を持っているのか?」
「魔力じゃなくって、神の力だよ」
「なぜ封印された? 悲恋とは?」
アンジェリアはあえて尋ねる。
「よくぞ聞いてくれた! 聞くも涙、語るも涙の物語なんだよ」
青年は胸に手を当てて目をそっと閉じて上を向く。
「あれは俺が生まれてまもない頃……人間と違って俺は生まれたときからこの姿なんだけど、あるときひとりの女性に恋をしたんだ。彼女はとても美しくて……そう、君に似ていた」
青年はアンジェリアを見てそう言った。
「それで?」
アンジェリアは顔色を変えることなく促す。
「しかし彼女は既に結婚していたんだ。俺達はお互いに惹かれ合いながらも愛を語り合うことができなかった」
青年は物憂い瞳をアンジェリアに向けるが、彼女は表情を変えない。
「あるとき、国王が外遊に出かけるとのことで、俺は彼女の部屋に忍んで会いに行った。だが、外遊に行っていたはずの国王がそこにいて、俺は彼女をかばって封印された」
彼は大仰に天を仰ぐ。
「そのとき国王は言った。人の妻に懸想するなど許しがたい罪であり永遠に封印してやりたいが、ひとつだけ封印を解く条件をつけてやろう。もしこのさきお前に真実の愛を誓う人間がいたならばこの封印は解かれる、と」
「ほう……?」
アンジェリアは面白そうに目を細めた。