こじらせ美女は王子様の夢を見る
練習
.






「ねえ玲央!颯太くんまじやばいんだけど!?聞いてる!?」



「あー聞いてるって」






ソファでスマホを見ながら適当な相槌をする玲央。




こいつ絶対聞いてない…




颯太くんと別れた後、今日あったことを玲央にことこまかく話した。





「ねえ、てか玲央が報告しろとかアドバイスしてやるとかゆうからこうやって話してんでしょ?!ちゃんと聞いてよ!」




私はソファに座ってる玲央の横に座る。




「わかったよ」




玲央はそういうとスマホをおいて私を見ると、





私の太ももの上に頭を乗せた。





は?





これっていわゆる膝枕…?






「は!?ちょ、あんた何してんの!?」



「聞こうとしてんだろ」





涼しい顔でそう言う玲央





「いや、なんで膝枕…」



「はやく言え。じゃなきゃ聞かねーぞ。」



「…わかったよ」





疑問は残りながらも、話の続きをする。





「だからバイト終わったら颯太くんがいて、ご飯食べてその時に玲央の話になって、玲央は私のこときっと何とも思ってないって言ったら颯太くんがもし私と住んでたら好きになるかもって、」



「それで?」



「…それで手繋いでいい?って言われたけど突然で可愛いことも言えなかったのに、可愛いって言ってくれて」



「それで?」





玲央は私から一瞬たりとも目を逸らさない。




お風呂に入ったばかりなのか、いつもは分けてる髪を下ろしてるからサラサラの髪が私の太ももについてくすぐったい




なんでそれでしか言わないの




もっと言うことあるでしょ…





「それで…玄関の前で抱きしめられた…」




「……」





いきなり無言になる玲央。




その沈黙になぜだかこっちが緊張してしまう。




なんなの…





「ちょ、なんか言ってよ…」





私のその言葉に玲央は、ふ、と息を吐くように笑った。





「いいんじゃね」





玲央は優しく笑う。






「…は?それだけ!?」



「んだよ」





黙り込むからなんかいっぱい考えてるのかと思ったのに





一言って、、





「ねえ、なんかもっとないの?こんだけ話したのに!?」




「はあ?あ、しいて言えば甘えることだな」




「甘える?」



「男はな女から甘えられるのに弱いんだよ」



「た、たとえば?」



「何でもいいだろ、手繋いで?とか抱きしめて?とか。なんか買って?とかでもいいな」




「ええ、そんな恥ずかしいこと言えないし!」





無理無理無理!





手繋いでいい?の返答でさえあんなに慌てふためいた私が?





…でも、言える女の子が





可愛いんだろうな…







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