こじらせ美女は王子様の夢を見る






「練習すれば?俺で」









「は?玲央で?」




「そう、俺なら緊張せずに言えんだろ」






たしかに





玲央である程度練習しとけば、ちょっとは颯太くんの前でも甘えれる女の子になれるんじゃないか…?




意外とナイスアイデアかもしれない。






「する!玲央なら緊張せずに言えるかも!」




「そんなはっきり言われるとなんかムカつく」





わかりやすく不機嫌な顔をする玲央。





「玲央が先に言ったんじゃん」




「もういいよ、さっさと甘えろ」




「そ、そんないきなり!?えっと、なんて言えばいいかな」



「自分で考えないと意味ねーだろ」






そっか





甘える…





私は太ももの上に乗ってる玲央の頭に手を置いた。






「ねえ玲央」






驚いたように目を開く玲央。




 


「抱きしめて?」







首を傾げてそう言ってみる






「………」






玲央はまた黙り込む。






「ちょ、なんか言って…って玲央、顔赤…」






その瞬間、玲央が私の太ももから飛び起きる。





そのせいで玲央の顔が見えなくなってしまった。





さっき、多分すごく




玲央の顔が赤い気がしたのは気のせいだろうか…






「玲央?」




「お前それやっぱやめろ」




「は?」






やれって言ったりやめろって言ったりなんなんだ。







「全然似合わねー」







玲央はそう言うと、私に顔を見せることなく自分の部屋に籠ってしまった。





そんなに?





そんなに見るに耐える愛嬌だったか?






私はその日甘えるのはやめようと誓った。









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