こじらせ美女は王子様の夢を見る
運命
「ほら、運命の人ってさ初めて見た瞬間に、この人だってわかるって言うじゃん?王子様だって。私初めての彼氏はそうゆう人がいいの、」
「お前そんな事言ってたら一生彼氏できねーぞ」
現実見ろ現実、そう言って
玲央は私のおでこをツン、とつついた。
「できるし!!…多分、」
「でもさ、お前に今まで彼氏ができなかったのって俺のせいでもあるよな。」
「は?」
「だってガキの頃からイケメンな幼なじみをずっと見てたら、他の男が目に入らなくなるのも当然だなって思って」
「はっ、自分で何言ってんの」
「だってそうだろ」
玲央は、体を起こして、
ソファに座る私の横に両手をついた。
「……ちょっ、と」
玲央の綺麗な目が、私を捉えて離さなくて、
鼓動が、早くなった。
「お前さ、まだ俺のこと好き?」
「…は?」
心臓が、止まるかと思った。
「好きだったじゃん、俺のこと」
「…知ってたの?」
結局告白なんてできなかったのに。
うそ…
「ああ、あんな分かりやすかったらそりゃ気づく。お前ずっと俺のこと見てたし。」
玲央の大きい手が、
私の髪にさらっと触れるたびに、
息が止まりそうになった。
「まだ好きだから、俺んとこ来たんじゃねーの」
いたずらっ子のようにニヤリと笑う。
「そうだったら?」
「…は、?」
「まだ玲央が好きって言ったら、どうするの?」
大きい目をまん丸にして、
私を見る玲央。
私の答えが、予想外だったらしい。
私は、玲央の綺麗な顔に手を添える。
私たちは、時間が止まったかのように、
ただ、見つめ合っていた。