こじらせ美女は王子様の夢を見る
初めて
「……ん、」
目が覚めたらソファで横になっていた。
「う、頭いた…」
お酒飲みすぎたかな…
夜、玲央とパーティーしてる間に、
いつの間にか寝てたんだ。
その時にはなかった毛布がかけられていて、
玲央がかけてくれたんだって思うと少し嬉しかった。
玲央どこ行ったんだろ
「お前寝すぎ」
「……ッ…ギャーーー!!」
後ろから聞こえた声に振り返ると、
上半身裸で、下にスエットを履いてタオルで髪を乾かしてる玲央がいた。
「…ッ、ちょ、何で服着てないの!?!信じらんない!早く着て!!!」
手で目を隠しながらも、指の隙間から少し覗いてみる。
うわ、筋肉………
腕にタトゥーが入ってる感じが何ともえろい
朝からいいもの見たわ
……じゃなくて、
「朝からうるさ、」
なんて文句言いながら、こっちに近づく玲央
……は!?
「ちょ、何、来ないで、、ギャーーー!」
「服」そう言うと私の後ろにあったスエットを取って気怠げに着る。
過剰に反応しすぎた自分が、恥ずかしい。
「何?襲われると思った?」
「……なっ、別に、、」
ニヤッと、いたずらっぽい顔で笑う玲央。
その顔がいちいちイケメンなのにさえ、腹が立つ。
「てか一緒に住むんだからこれぐらい慣れろよ、あ、もしかして男の裸初めて見た?」
「…っ、そんなこと……」
…なくはない。
現実にこんな近くで見たのは、初めてだから。
「…え?まじ?ってことは、お前処女?」
「は!?」
「なあ、答えろよ」
信じらんない。
大体朝からなんて話をしてくるんだこいつは。
ニヤニヤしながら私を見てくる玲央を少し睨んだあと、毛布を思いっきり被る。
「もうやだ!!あっち行って!!変態!!」
「バーカ、男はみんな変態なんだよ」
玲央の力に勝てるはずもなく、
被っていた毛布はあっけなく取られた。
私と目線を合わせた玲央は、
少し優しい顔をしていた。
「お前、俺が許可するまで他の男とヤるなよ」
「は!?」
ふっ、と息を吐くように笑った玲央は
そのまま私の頭を撫でた。