気まぐれヤンキーくんのあまのじゃくな溺愛。

歩いて十数分後。
道に所々迷ったものの何とか鳳君の住むタワーマンションに到着。
ここだよね…?
凄くキラキラ光って見えるのですが…。
目に映る先生に渡されたプリントの上にある地図を見て、鳳君の住むマンションか確認する。
……合ってる。
じゃあ本当にこのマンションに住んでるんだ。
凄い。やっぱり鳳君って何者なんだろっ…。
鳳君の住む部屋のチャイムが鳴らすと、鳳君は寝起きだったのか眠たそうに「どうぞ」と言った。
玄関まで到着して扉が開いた数秒後、何か思い当たる節があったのか「…あ」と僅かな時間差で私に顔を歪ませた。

そして、

「…また面倒事突っ込んだの?」
「え?」

訳の分からないことを鳳君は口にした。
…?面倒事?

「何の事?」
「……気づいてないとかヤバ。バカなの?」
「⁉︎」

急に訳のわからないこと口にしたかと思えば、今度はバカって言った…!
頭が怒りが満ちて熱くなりそうな私に対して、鳳君は冷めた声で私の持つプリントに指を指した。

「それ」
「え?」
「プリント。どーせ、担任に押し付けられたんだろ」