気まぐれヤンキーくんのあまのじゃくな溺愛。
鳳くんの言葉に思わず首を傾げる。


押し付けられた…?


頼まれた、じゃなくて…?


もしかして鳳くん、何か違いしてる…?


そうなら早く誤解解かないと…!


「えっと、違うよ?押し付けられたんじゃなくて、頼まれたの」


「それを押し付けられたって言うの」


「いやいや本当に違うくて!先生今日職員会議みたいで」


「精々今日のプリントだけでしょ?机の下に入れときゃいいのに。だから押し付けられたって言ってるの。…日本語通じる?」


はぁ…と呆れた顔が明るみな鳳くんに、苦笑いを浮かべる。


鳳くんって、意外と、き、厳しい人……?


さっきから言葉1つ1つが辛辣な気がするんだけどっ…。


「押し付けられたの気づいてないとか致命的すぎる。あんた絶対人生で1番損するタイプでしょ」


「てかプリント」とプリントの存在を思い出したのか、「ちょうだい」と言って手を差し伸べてきた鳳くん。


今すぐにでもここを立ち去りたいと思い、言われてパッと一瞬で持っていたプリントを両手で渡した。


このままここにいると、きっとイラッとして鳳くんに当たってしまうかもしれない。


そう思い、体を回れ右にして、元来た道へ戻ろうと立ち去ろうとしたら、


「あんたみたいなの、俺嫌いなんだよね。分け隔てなく優しい奴」


最後まで、辛口なことを口にした。



鳳亮くん。


遅刻・欠席・早退を繰り返すマイペースな人。


─────訂正。


鳳亮くんは、とてつもなく気まぐれな人。
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