気まぐれヤンキーくんのあまのじゃくな溺愛。

それ良いとことでもあるけどさ、たまにはちゃんと休憩しなね。切羽詰まって倒れたら元もこうもないんだから」


「うん、ありがとう。萌恵ちゃん」


人は人をよく見てる、と言うけれど、本当なんだな〜と胸の奥がジーンと感動するかのように、


萌恵ちゃんの言葉が強く心に染みた気がした。


そうほんわか優しくて温かい空気が流れていた時、とんでもない事実に気がついた。


「って、水筒ない！」


ガタッと椅子から立って、思い違いじゃないか目を凝らしながら机の周りをキョロキョロと確認する。


やっぱり…ない！


きっと家に忘れてきたんだ…！朝からバタバタだったから！


「え、陽羽今更気づいたの？」


萌恵ちゃんは、まるで最初から分かってたかのように私に呆れながらお弁当を黙々と食べていく。


「自販機早く行って来な。昼休み終わっちゃうよ」


「うぅ…自販機行ってくる…」


「おけ。行ってらっしゃい。何かあったらあたしに電話するんだよ。絶対だからね」


「うん、ありがとう！」