気まぐれヤンキーくんのあまのじゃくな溺愛。【1/11~1/19修正期間】
鳳くんと天翼さんは兄弟であること。


天翼さんと阿吽の呼吸で仲良しだったこと。


鳳くんは中学2年生の2学期に入る前までは【last】の幹部メンバーだったこと。


───夏休み真っ最中の8月中旬、【Snake】というチーム名を改名した【Viper】に理不尽な喧嘩をやられて、


兄弟である2人の行き違いが生まれて、鳳くんは【last】から離れたこと。


【last】に聞いたことを全て包み隠さず話し終わると、ため息を盛大に吐いた鳳くん。


「はぁ〜…そこまで知られてんのかよ…。ったく、これだと言わない方が無理あるよな…。


どーせ俺が言わなかったらまたあいつらに聞くだろうし…」


本当の意味で観念した鳳くんは一言二言を文句を言った後、私を真っ直ぐ見て口を開いた。


「仕方ないから、小鳥には教えてあげる。……俺と兄貴の過去」


「!」


「ただし他の奴には内緒な」


それから鳳くんは、いつもの気怠けさを一切出さずに、私に対して言葉を選びながら、1つずつ説明してくれた。


小さい頃はすごく仲良しだったこと。小さい頃からいつも自分を守ってくれた頼もしいお兄さんだったってこと。


お兄さんに【last】に誘われたこと。2人とも喧嘩強かったこと。


────【Viper】との喧嘩で自分を庇ったせいでお兄さんが大怪我をしたこと。


そして今、自分みたいな弱者がそこには居てはいけないと思って中2の夏休み明けに離れたこと。 


全部、今鳳くん自身が思っていることを話してくれたと感じた。


「俺が、弱かったから…俺が、臆病だったから。弱虫だったから。


大切だった皆を、兄貴を守れなかった。なのに、それでも皆は俺を一切否定しなかった。


そんな皆に対して俺は罪悪感が湧きまくった。何で責めてくれないんだって。何であんな弱いんだって」
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