気まぐれヤンキーくんのあまのじゃくな溺愛。【1/11~1/19修正期間】
亮くんの口から気持ちを伝えなきゃ、お兄さんである天翼さんには伝わらない。


「そっか。そこまで聞いてるってことは大体は俺らのこと知ってるんだね。さすがうちのお姫様だ」


「は、はぁ…」


さっきから天翼さんが言う“お姫様”って、な、何なんだろう……?


暴走族のこととか総長のこととか、言葉の定義は分かるけど、細かい概要は分からない…っ。


この件が終わったら、暴走族ものの漫画とか小説とか読んでもっと勉強しようっ…。


「そこまで知ってるなら俺からはそんな話すこと…」


「──1つだけあります」


「え……?」


「亮くんのこと、今どう思っていますか」


亮くんは、お兄さんのことをすごく大切に思ってた。そして、それ以上に自分が犯した“罪”に負い目をかけてた。


そんな気持ちを知らないお兄さんは亮くんをどう思うんだろう。


「大切な唯一の弟」


「!え…?」


今、天翼さん、亮くんのことを、“大切な唯一の弟”って…。


じゃあ、お互い気持ちは同じ、ってこと……?


「俺らってさ、全然年離れてるのに、一卵性の双子並みに顔似てて。小さい頃から近所の人たちにも優しくしてもらってた。


俺や亮のこの顔は母親譲りで、自分で言うのもあれだけど、モテて。母さんが芸能人並みの美人さんでさ。


あ、それは父さんが『母さんはスゲー美人さんだからきっと2人も彼女に似たんだろうな』って言われて、そうだなって思っただけで」


「ふふっ、何必死になってるんですか」


「あ、いや、こう言わないとマザコンとか思われるだろ!?亮に言われたんだよ!『親の自慢話しすぎると嫌がられるぞ』って」


「あははっ、大丈夫ですよ。マザコンというよりは、家族想いなんだなって伝わりましたから」


亮くんのことや、ご両親のこと、すごく大切だと思ってる優しいお兄さんなんだな…。


こういうところ、亮くんもちょっと似てる。
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