気まぐれヤンキーくんのあまのじゃくな溺愛。
そう思いながらいつの間にか学校が終わった放課後。
教室にあるアナログ時計はそろそろ4時を指そうとしている。
今頃、亮君と天翼さんはきっと会ってるんだろうな。
2人共、上手く行ってるといいけど…。
天翼さんと同じ1つ年上のお姉ちゃんがいるけど、お姉ちゃんと何年も話さないなんて考えた事がない。
だから亮君や天翼さんの心境を考えると、前に進んだなって思うと同時に大丈夫かな…って心配しちゃう。
けど萌恵ちゃんは今朝「大丈夫」だって言ってたし、きっと大丈夫だよね…!
帰る準備を終えて教室を出ると、下駄箱に向かう背後から竹内君に呼び止められた。

「あ!いた、小鳥!」
「?竹内君?どうしたの?」
「実はさ、小鳥の事呼ぶ先輩がいて」
「え……?」

どこのクラスの先輩だろう……?
私、この学校に【last】にいる先輩以外の知り合いいたっけ……?

「大至急来てって言ってた」
「えっ」

大至急?私もしかして知らないうちに何かやらかしちゃった……?
何だろう。思い当たる節がない…。
でも竹内君が言うし、きっと何かやらかしちゃったんだ…。
なら謝りに行かないと。人の気持ちを汲み取れないところ、相変わらずダメだな…。

「分かった。その先輩がいるところ教えて貰えるかな?」
「もちろん!着いてきて」
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