気まぐれヤンキーくんのあまのじゃくな溺愛。【1/11~1/19修正期間】
先生が私に見せてきたのは、鳳くんが欠席した5・6時間目のプリント数枚。


「え、私が、ですか……?」


「そう。他の奴に頼み込もうとしたんだけど、全員帰っちゃって」


先生の言い草に先生が考えていることが手に取るように分かった。


うちのクラス含む学校内にあるクラスの3分の2は不良たちが集まる。


その残りの3分の1は、優秀な生徒たち。


先生たちは、怒らせることがほとんどない3分の1である優秀な生徒に、雑用を頼みやすい。


今まで何度か他の生徒にも頼んできて、それに嫌気が差したから先生の言う“他の奴”は帰ったんだと思う。


……で、最後に私が残ったんだろうな、と頭を巡らせた。


「頼む!俺この後職員会議があるんだ!」


「わ、分かりました。やります」


「助かる!これ地図だから、これ見て行って渡してほしい。じゃ、俺は行くな!」


せっせと職員会議のために駆け走って、教室を出て行った先生。


私はまだ3時過ぎなのにも関わらず薄暗い教室を先生に渡された鳳くんのプリントを持って出た。
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