飴ちゃん食べる?~よろしく焼肉ホスト部♡

8*飴ちゃん食べる?

 天野スミス唯に連れられて、彼のお気に入り場所である屋上にやってきた。

「はぁ、やっぱりここが落ち着くわ」

 ふたり一緒に校庭を眺めた。
 平和な様子でほっとする。

 少し経つとふたり横に並んで地面に座った。

「ねぇ、さっき、彼女になってって……」
「返事、今すぐ聞かせてや」

 迷いは、一切ない――。

 私は「いいよ」と頷いた。
 天野スミス唯はキラキラ微笑んだ。

「はぁ、ほんま疲れた。栗谷川の膝かして?」
「ひ、膝?」
「昼寝するから、適当な時間に起こしてや?」

 彼は、私の膝を枕にして眠った。

――私たち、本当に恋人になったんだよね?

 告白されたタイミングとか、ここまでくる過程があっさりしすぎてるとか……まだあんまり付き合っている実感はわかない。

 でも、天野スミス唯の寝顔を見ながら、私が彼に抱いている気持ちは深く感じていた。

 天野スミス唯が大好きだなって――。
< 50 / 57 >

この作品をシェア

pagetop