好きなの
一回好きになって、こんなに諦めがつかないのは初めて。


それに、あたし、恋してはすぐ冷めるほうだから
こんなに長い間、一人の人を好きになれるのはすごいなって
自分で思った。

「なにニヤニヤ笑ってんのよ、キモイ」


「翔君のこと考えてたのッ。あは」


「あはって・・・」


「あははははッ」


それから、チャイムが鳴るまで、未亜は呆れてあたしはかなり浮かれてた。


翔君とは、残念ながらクラスが違う。
だから授業中は翔君を見れないし、
クラスも、あたしがAで翔君Gだから、あんまり会えないし。


って。
また、あたし翔君のこと考えてるよね。


「七瀬っ。ニヤニヤ笑うな」

「・・・はい」

授業中だったんだっけか。
すっかり忘れてた。


運悪く、今は担任:杉原の数学。
分かってるのに。
分かってるんだよ?

だけど。
翔君のこと考えてたら・・・



「七瀬ー!オマエはなぁ!!!!!」


「はいぃぃぃぃ」


これでクラスの笑い者になったあたしが、
廊下で立たされたのは言うまでもなくて・・・。




だって。好きなんだもん。
恋してる女の子なら分かるでしょ。


それくらい、いや。
それ以上に翔君がすきなんだ。
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