エンドロールを巻き戻せ
私と一彩は、歩いて代官山のレストランに向かった。
ずっと憧れていたレストランは、白を基調とした、スタイリッシュな内装で予想以上に素敵だった。
おしゃれなフレンチのレストランに、私と一彩は少し緊張しながら席についた。
飲み物のオーダーが済むと、一彩が私に向かって話しかけてくる。
「瑞稀、考えられる?俺たち出会った時は静岡の田舎の町で自転車転がして、公園とかでデートしてたのに、今じゃこんなおしゃれなレストランでワインなんか飲んでるんだぜ。」
私達の田舎は、静岡の海沿いの小さな町だ。
デートといえば、海に行くか、公園に行くか。
それくらいしか行く場所もなかった。
けれどそれでも、あの頃の私達は十分に楽しかった。
「そうだね。私達いつのまにかこんな所に来られるくらいに大人になったんだね。」
「まあ、普段は安い居酒屋とかだけどね。今日は、瑞稀の誕生日だからな。瑞稀、誕生日おめでとう。」
そう言って、私達はワイングラスを重ねる。
一彩が私の25回目の誕生日を祝ってくれる。
次から次へと、運ばれてくる宝石のような料理を見て、私と一彩は二人で感動する。
今まで、二人でいったいどれくらいの事を共有して感動してきたのだろうか。
数えきれない程に私達は二人で沢山の経験をして、一緒に大人になってきた。
今日という日も、そんな二人の大切な思い出の一つになるはずの日だった。
一彩はいつもと変わらず、自分の仕事の話しや、二人の共通の友達の話しをした。
私達は付き合って長いのに、不思議と会話に困る事がなかった。
ずっと、他愛もない事でいくらでも話しが弾むのだ。
来年、結婚をする地元の友達の話しになり、どんな余興をするか私達は話しあった。
私は、一彩の口から結婚の言葉が出ただけで、心臓がどきどきした。
私の気も知らずに、一彩は笑いながら、次々に思いついた余興の案を私に話していく。
私は、笑顔で聞きながらも、あまり一彩の話しが、頭に入ってこなかった。
笑うとよく出る一彩のエクボや、目尻にできるシワを見て『私はやっぱり一彩が好きだなぁ』と馬鹿みたいな事を考えていた。
ずっと憧れていたレストランは、白を基調とした、スタイリッシュな内装で予想以上に素敵だった。
おしゃれなフレンチのレストランに、私と一彩は少し緊張しながら席についた。
飲み物のオーダーが済むと、一彩が私に向かって話しかけてくる。
「瑞稀、考えられる?俺たち出会った時は静岡の田舎の町で自転車転がして、公園とかでデートしてたのに、今じゃこんなおしゃれなレストランでワインなんか飲んでるんだぜ。」
私達の田舎は、静岡の海沿いの小さな町だ。
デートといえば、海に行くか、公園に行くか。
それくらいしか行く場所もなかった。
けれどそれでも、あの頃の私達は十分に楽しかった。
「そうだね。私達いつのまにかこんな所に来られるくらいに大人になったんだね。」
「まあ、普段は安い居酒屋とかだけどね。今日は、瑞稀の誕生日だからな。瑞稀、誕生日おめでとう。」
そう言って、私達はワイングラスを重ねる。
一彩が私の25回目の誕生日を祝ってくれる。
次から次へと、運ばれてくる宝石のような料理を見て、私と一彩は二人で感動する。
今まで、二人でいったいどれくらいの事を共有して感動してきたのだろうか。
数えきれない程に私達は二人で沢山の経験をして、一緒に大人になってきた。
今日という日も、そんな二人の大切な思い出の一つになるはずの日だった。
一彩はいつもと変わらず、自分の仕事の話しや、二人の共通の友達の話しをした。
私達は付き合って長いのに、不思議と会話に困る事がなかった。
ずっと、他愛もない事でいくらでも話しが弾むのだ。
来年、結婚をする地元の友達の話しになり、どんな余興をするか私達は話しあった。
私は、一彩の口から結婚の言葉が出ただけで、心臓がどきどきした。
私の気も知らずに、一彩は笑いながら、次々に思いついた余興の案を私に話していく。
私は、笑顔で聞きながらも、あまり一彩の話しが、頭に入ってこなかった。
笑うとよく出る一彩のエクボや、目尻にできるシワを見て『私はやっぱり一彩が好きだなぁ』と馬鹿みたいな事を考えていた。