黒薔薇の悪女は、カピバラ侯爵様の餌付けに成功したらしい?
ローラは眉を下げ、心配してる仕草を見せているが、白々しい嘘だ。嘲笑しているに違いない。婚約者候補時代に私の方が格式が高いのだとか、私の方が相応しいのだとか、散々彼女を見下していたのだから。
「私も婚約者候補から外されてしまいましたが、グラント公爵家に嫁ぐことになりましたのよぉ。レティーシャ様はワルソン侯爵家に嫁がれたのでしたわね」
「えぇ」
「それはお可哀想ですわぁ。だってぇ、あのワルソン侯爵でしょ? そういえばワルソン侯爵のお姿が見えませんわね。どちらにいるのかしらぁ? あまりの醜い姿に恥じて、顔を出せないでいるのかしら、あの白豚侯爵は。うふふふっ」
私の中で、何かがブチッと切れる音がした。
「……なんですって」
私のことはどんなに蔑んでもいい。今までの行いが返って来たのだと、受け入れられる。
だけど、ケリスのことを侮辱するのは許さない。
「ケリス様のことを何も知らないくせに、よくそんな事が言えますわね! ケリス様はね、優しくて繊細で、包容力があって、たとえ自分が傷ついたとしても、他人のことを優先をする人なのっ。だから、あなたの言葉をきっとケリス様は許してしまうだろうけど、私は、絶対に許さない!」
「……レティーシャ、ありがとう」
後ろから抱きしめられた。この声は……。
「ケリス様!?」
「私も婚約者候補から外されてしまいましたが、グラント公爵家に嫁ぐことになりましたのよぉ。レティーシャ様はワルソン侯爵家に嫁がれたのでしたわね」
「えぇ」
「それはお可哀想ですわぁ。だってぇ、あのワルソン侯爵でしょ? そういえばワルソン侯爵のお姿が見えませんわね。どちらにいるのかしらぁ? あまりの醜い姿に恥じて、顔を出せないでいるのかしら、あの白豚侯爵は。うふふふっ」
私の中で、何かがブチッと切れる音がした。
「……なんですって」
私のことはどんなに蔑んでもいい。今までの行いが返って来たのだと、受け入れられる。
だけど、ケリスのことを侮辱するのは許さない。
「ケリス様のことを何も知らないくせに、よくそんな事が言えますわね! ケリス様はね、優しくて繊細で、包容力があって、たとえ自分が傷ついたとしても、他人のことを優先をする人なのっ。だから、あなたの言葉をきっとケリス様は許してしまうだろうけど、私は、絶対に許さない!」
「……レティーシャ、ありがとう」
後ろから抱きしめられた。この声は……。
「ケリス様!?」