黒薔薇の悪女は、カピバラ侯爵様の餌付けに成功したらしい?
「もう大丈夫だ。他人に何て言われたって、君が味方してくれるなら怖くない」
耳元で囁かれて、振り向くと至近距離にエメラルドグリーンの瞳が見えた。
「え、え、前髪が、無い」
あの長かった前髪をバッサリ切ってケリスは現れた。
私は驚きのあまり言葉が見つからない。
「え? 誰ですのぉ? この美丈夫は!?」
驚いているのは、私だけではなかったらしい。
ローラが、見事に変身と遂げたケリスを見て、顔を赤くして興奮している。
ケリスはローラの方を向くと、ニッコリ笑う。
「ああ、申し遅れました。私はケリス・ワルソン。レティーシャの夫です。以後お見知り置きを」
「え? えぇ!? ワルソン卿!?」
ローラは目を見開き、口を魚のようにパクパクさせて、固まっていた。
ダンスフロアに流れる演奏の曲調が変わる。
「ワルツが始まったな」
ケリスが呟くと、私の手を取った。
「黒薔薇の姫、私と踊ってくれませんか?」
「……はい。喜んで」
私はケリスに手を引かれるまま、ダンスフロアの中央に歩いていった。
「あの美男美女は誰かしら?」
「あれは黒薔薇と呼ばれるレティーシャ様よ。じゃあ、あの殿方は……ワルソン侯爵!?」
「え? ワルソン侯爵って、白豚侯爵!? 別人のようだ」
「驚いたわ。とってもお似合いですわね」
私たちは注目の的だった。
外野で何か言われているようだけど、気にならない。
私たちはダンスを存分に楽しんだ。
耳元で囁かれて、振り向くと至近距離にエメラルドグリーンの瞳が見えた。
「え、え、前髪が、無い」
あの長かった前髪をバッサリ切ってケリスは現れた。
私は驚きのあまり言葉が見つからない。
「え? 誰ですのぉ? この美丈夫は!?」
驚いているのは、私だけではなかったらしい。
ローラが、見事に変身と遂げたケリスを見て、顔を赤くして興奮している。
ケリスはローラの方を向くと、ニッコリ笑う。
「ああ、申し遅れました。私はケリス・ワルソン。レティーシャの夫です。以後お見知り置きを」
「え? えぇ!? ワルソン卿!?」
ローラは目を見開き、口を魚のようにパクパクさせて、固まっていた。
ダンスフロアに流れる演奏の曲調が変わる。
「ワルツが始まったな」
ケリスが呟くと、私の手を取った。
「黒薔薇の姫、私と踊ってくれませんか?」
「……はい。喜んで」
私はケリスに手を引かれるまま、ダンスフロアの中央に歩いていった。
「あの美男美女は誰かしら?」
「あれは黒薔薇と呼ばれるレティーシャ様よ。じゃあ、あの殿方は……ワルソン侯爵!?」
「え? ワルソン侯爵って、白豚侯爵!? 別人のようだ」
「驚いたわ。とってもお似合いですわね」
私たちは注目の的だった。
外野で何か言われているようだけど、気にならない。
私たちはダンスを存分に楽しんだ。