黒薔薇の悪女は、カピバラ侯爵様の餌付けに成功したらしい?
「でも俺は弱くて変われなかった。君に会ったらきっと幻滅される。折角君が褒めてくれたのに、見つからないように瞳を隠すようになったんだ。そうしたら、そのお陰で嫌な奴らが見えなくなって、安心して、止めれなくなった」
私はそっと手を伸ばし、ケリスの前髪に触れた。
「先程、殿下と出ていかれたのは、前髪を切る為だったんですね」
「あぁ。ショーンには前々から、切れって言われ続けてて。本当は舞踏会前には切ろうと思ってたんだ。でも、なかなか勇気が出なくて」
「そうだったんですか。とってもお似合いです」
「あ、ありがとう……」
ケリスははにかむように笑った。そして、大きく息を吐いた。
「君は俺を変えてくれた。もう逃げないよ。だって、君には俺だけを見て欲しい。俺も君を、ずっと見ていたいんだ」
ケリスの真っ直ぐな瞳に、捕らえられる。
「レティーシャ、愛している」
私の視界がぼやけてくる。
ケリスの言葉がこんなに嬉しいなんて。私もいつの間にかケリスに惹かれていたのだと気づく。
「わ、私もです……」
ケリスが優しく抱きしめてくれた。私は彼の胸に顔をうずめる。
「私は酷いことばかり言ったり、無理やり散歩させたり、野菜食べさせたりしたのに。私でいいんですか? ケリス様って実は被虐趣味の……?」
「え? 違う。断じて違う!」
ケリスが焦っているを見て、笑ってしまう。
「ふふっ、冗談です」
「はぁ、君はまったく。……そうだな。あえて言うなら」
ケリスの綺麗な瞳が近づいてくる。彼の瞳に吸い込まれてしまいそうだ。
「君に、餌付けされてしまったのかもな」
満天の星の下、くちづけを交わした。
私はそっと手を伸ばし、ケリスの前髪に触れた。
「先程、殿下と出ていかれたのは、前髪を切る為だったんですね」
「あぁ。ショーンには前々から、切れって言われ続けてて。本当は舞踏会前には切ろうと思ってたんだ。でも、なかなか勇気が出なくて」
「そうだったんですか。とってもお似合いです」
「あ、ありがとう……」
ケリスははにかむように笑った。そして、大きく息を吐いた。
「君は俺を変えてくれた。もう逃げないよ。だって、君には俺だけを見て欲しい。俺も君を、ずっと見ていたいんだ」
ケリスの真っ直ぐな瞳に、捕らえられる。
「レティーシャ、愛している」
私の視界がぼやけてくる。
ケリスの言葉がこんなに嬉しいなんて。私もいつの間にかケリスに惹かれていたのだと気づく。
「わ、私もです……」
ケリスが優しく抱きしめてくれた。私は彼の胸に顔をうずめる。
「私は酷いことばかり言ったり、無理やり散歩させたり、野菜食べさせたりしたのに。私でいいんですか? ケリス様って実は被虐趣味の……?」
「え? 違う。断じて違う!」
ケリスが焦っているを見て、笑ってしまう。
「ふふっ、冗談です」
「はぁ、君はまったく。……そうだな。あえて言うなら」
ケリスの綺麗な瞳が近づいてくる。彼の瞳に吸い込まれてしまいそうだ。
「君に、餌付けされてしまったのかもな」
満天の星の下、くちづけを交わした。