黒薔薇の悪女は、カピバラ侯爵様の餌付けに成功したらしい?
私はマッシー公爵家の長女として生まれた。
黒い長い髪と瞳が特徴で、公爵家の黒薔薇と呼ばれ、王太子の婚約者候補の一人だった。幼い頃から厳しい令嬢教育を受け、プライドは高く、ライバルの令嬢達を蹴散らしてきた。
しかし、王太子は隣国の王女と婚約が決まったのだ。
今までの努力は水泡に帰して、失意の底にいた二十歳の時、白豚侯爵と揶揄されているワルソン侯爵に嫁ぐことになってしまった。
「えっと、本当に平気か? 歩けそうか? 俺が部屋まで送ろう。あ、いや、侍女を呼んだ方がいいのか……?」
今まで散々悪態をついていた私を、こんなに心配してくれるなんて、ちょっとお人好しすぎるのではないかしら。
当の本人よりオロオロしてるケリスを見て、ちょっと笑ってしまった。
「ケリス様。一人で歩けますので、そんなに心配なさらないでください」
「そ、それなら良いのだが……」
「あの、ケリス様にお願いがあるのですが、今日、ディナーをご一緒してもよろしいですか?」
「え?」
黒い長い髪と瞳が特徴で、公爵家の黒薔薇と呼ばれ、王太子の婚約者候補の一人だった。幼い頃から厳しい令嬢教育を受け、プライドは高く、ライバルの令嬢達を蹴散らしてきた。
しかし、王太子は隣国の王女と婚約が決まったのだ。
今までの努力は水泡に帰して、失意の底にいた二十歳の時、白豚侯爵と揶揄されているワルソン侯爵に嫁ぐことになってしまった。
「えっと、本当に平気か? 歩けそうか? 俺が部屋まで送ろう。あ、いや、侍女を呼んだ方がいいのか……?」
今まで散々悪態をついていた私を、こんなに心配してくれるなんて、ちょっとお人好しすぎるのではないかしら。
当の本人よりオロオロしてるケリスを見て、ちょっと笑ってしまった。
「ケリス様。一人で歩けますので、そんなに心配なさらないでください」
「そ、それなら良いのだが……」
「あの、ケリス様にお願いがあるのですが、今日、ディナーをご一緒してもよろしいですか?」
「え?」