別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました

「昨日は熱が高かったが今は落ち着いている。でも今日は仕事を休むように言ってある」

「そうか、わかった。お袋にもそう伝えとく」

　琉生は頷き、少し躊躇した後、口を開いた。

「――あんた、大輝の父親なんだろ」

「ああ、そうだ」

　瞬は即答した。

　大輝は瞬の子だ。身に覚えがあるし、何より大輝は客観的に見て非常に自分に似ている。それにたとえ血が繋がってなくても大切な存在であることは間違いない。

「だよな。初めてあんたの顔をみてすぐわかったよ。大輝とそっくりだもんな」

　琉生は苦笑したあとすっと真剣な表情になる。

「……佳純はさ、ずっとひとりで大輝を育ててきたんだ。大きな腹で事務所に通って仕事覚えて、ふにゃふにゃの大輝毎日送り迎えして……疲れてるだろうに弱音もはかねぇし。俺たちも出来ることは手を貸そうとしていたけどあいつ『ただでさえ迷惑かけてるのに』っていつもすごく遠慮してさ」

「……そうか」

　大輝を産み、ここまで育ててきた佳純の苦労を思うと、彼女のそばにいれなかった自分を殴りたくなる。