別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました
「だからいつか俺が一番近くで支えてやれればって思ってたんだ。あいつ、俺の初恋でさ。だから初めてアンタが佳純に近づいたの見たときカッとなっちまった。……悪かったな」

 琉生は素直で、隠し事のできない性格のようだ。

「気にしないでくれ。ああでももたしかに、君にはストーカーかって言われたな」

 冗談めかして応えると琉生はすまなそうに頭を掻いた。

(ストーカーか、ある意味近いのかもしれないな)

 瞬は自嘲の笑みを浮かべる。

 奇跡的に佳純に再会し、子どもを育てていると知った瞬は図々しくアピールすると宣言し、かなり強引に彼女のテリトリーに割り入った。佳純の優しい性格を利用し付け込んだのだ。

 でも、手段など選んでいる場合ではなかった。

「事情があり一時離れ離れになったが、これからはなにがあっても彼女を離さないと決めている」
 瞬は迷いなく目の前の男に伝える。

 勘違いでなければ今佳純の自分への警戒はかなり解かれている。4年前に話したかったことも、ずっと感じてきた違和感も解消して新しい段階に進みたい。

(昨日はタイミングが良かっただけだ。今の関係のままでは佳純に何かあっても、すぐに助けられない)
< 147 / 233 >

この作品をシェア

pagetop