別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました
「うわ、辛辣」と波多野は大げさに肩をすくめた。

「3歳の男の子か……だったら、いい場所を知ってる。お前の子だったら絶対喜びそうだ」

 その施設名を聞いて瞬はなるほどと頷く。たしかにあそこなら大輝も気に入りそうだ。

「珍しくお前から仕事以外で有益な情報を得たよ。ありがとう」

「代わりと言ってはなんだが、俺の相談も聞いてくれるか?」

 波多野が身を乗りだす。ここに来たのはその話をするためだったようだ。

「来年早々、田端さんを偲ぶ会をやるって話、鮫島も知ってるよな」

「ああ、たしかお前が幹事だったな」

 波多野も瞬同様、田端に鍛えられ成長した警察官だ。彼が亡くなって五年をすぎ、瞬の帰国をきっかけに田端と縁のあるメンバーで集まろうという話をしていたのだ。

「最初はごく内輪の会にしようと思ってたんだ。あの人大げさなの嫌がる人だったから。でもどこからか総監が聞きつけてきて『私も出席したい』なんて言い出してさ……」

 若い頃田端と切磋琢磨しという警視総監を始め、他の幹部も出席を希望しだし、あれよという間に大規模な会になってしまったらしい。
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