別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました

　大輝は瞬に買ってもらった電車のおもちゃが大好きで、今日柚希が家に来ると教えたら『ゆずせんせいと一緒に遊ぶ』とはりきっていたのだ。

「柚希ありがとね。お休みなのに面倒見させちゃって」

　山谷家に挨拶に行くと話したら柚希は『込み入った話をするなら大輝は私がみてるよ』といって子守を買って出てくれたのだ。

「大輝と遊べて楽しかったから気にしないで。鮫島さんもお疲れさまでした。どうでした？　うちの親」

「おかげさまで納得していただけたよ。でも少し緊張したな。恋人の親に挨拶に行くのは、ああいう気持ちなのかと思ったよ」

　瞬はコートを脱ぎながら苦笑している。

　佳純はバッグをダイニングの椅子に置いて「そういえば」と口を開いた。

「琉生君にもお礼言おうと思ってたけど、今日いなかったんだよね。用事があったのかな」

「まあ、納得はしてるだろうけど、さすがにすぐには切り替えられないんだろうなぁ」

「え？　なんのこと？」

　柚希の言葉に首を傾げていると、瞬ににっこり微笑まれる。

「彼とはまた別の機会に話そうか」

「たしかにそうですね」