別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました
 柚希は大輝体を膝に乗せ「君もイケメンになりそうだねぇ」と言いながら頬を指先でフニフニとつついた。

「わかった、お眼鏡にかなう男がいるかわからないが、庁内で見繕っておくよ」

 瞬も調子を合わせて笑う。

「ふふ、期待しておきます……あ、そうだ大輝、今度ゆずせんせいのお家にお泊りする?」

「ゆずせんせいのお家?」

「うん、りゅーくんも、おじさんもおばさんもいるよ。いっぱい遊んで、夜はゆずせんせいと一緒に寝ようね」

「やった、おとまりする!」

 柚希の膝の上で大輝は体をバウンドさせた。

「というわけで、佳純、今度大輝借りていい?」

「いいけど、急にどうしたの?」

「今日の話聞いて自称じいじとばあば、大輝がいなくなっちゃうーって相当寂しがると思うのよね。引っ越す前に思いっきりかわいがらせてあげたいんだ」

「それは全然かまわないけど私も……」

 一緒に泊まると続けようとしたが、柚希に制される。

「せっかくだから、ふたりでデートでもしてきたら?」

「デ、デートだなんてそんな」

 にんまりする柚希を前に妙に気恥ずかしくなる。

「だって、せっかく復縁したのに恋人らしいお出かけなんてできてないでしょ」
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