別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました
 ワンピースが決まるとそれに合わせてバッグや靴、イヤリングやコートまで次々と運ばれてくる。善し悪しがよくわからない佳純だったが、スタッフの丁寧なアドバイスや瞬の意見も聞きながらなんとかすべて選ぶことができた。

 子ども用のコーナーで大輝用のシャツとベスト、半ズボンも購入し、すべての買い物が終わる。

「はぁ……なんだか普段使わない脳細胞をすごく使った気がします」

「女性の買い物は大変なんだな。でもいいものが選べてよかった」

 スタッフに見送られ、店を出たふたりは駐車場に向かう。

 似合っているからこのまま出かけようと言われ、佳純はさきほど購入した一式を身に着けている。

「瞬さん、ありがとうございました。こんな素敵なものを買っていただいて」

 瞬は当たり前のように彼のカードで支払いをしていた。値段は教えてもらえなかったが、相当高額だったに違いない。服装に高いお金をかける発想のない佳純としてはどうしても気がひけてしまう。

 すると瞬は気にするなというように佳純の手をしっかりと繋いだ。

「いいから。疲れただろう? 次はゆっくりしてきたらいい」

「……はい」
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