別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました
 この後は瞬が予約してくれていたヘアサロンにいく予定になっていた。

(瞬さんきっと見かねたんだろうな。正直普段から最低限のケアしかできてないし、子連れで行ける格安カットの店にしか行けてないもんね……)
 来月のパーティで瞬に恥をかかせないように、しっかり綺麗にしてもらおうと佳純は考えていた。

 連れてこられたのは青山に店を構えるサロンだった。受付で瞬が名前を告げるとスタッフに中に通される。

(ああ、これは、私の知ってる美容院じゃない……)

 半地下になっている空間には柔らかい日差しがほどよく差し込んでいてゆったりした雰囲気が流れている。
 生花やグリーンもふんだんに飾られていて、これを常にキープするのはお金がかなりかかるのではとつい下世話なことをかんがえてしまうほど、ラグジュアリーな空間だった。

 待合の座り心地の良いソファーに腰かけていると、中からすらりとした背丈の人物が現れた。

「いらっしゃいませ、今日担当いたしますヘアメイクアーティストのユキです」

(わぁ、すごい美人さんだ……)
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