別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました
 重なった唇は早くこうすべきだったと思ってしまうほど心地よかった。瞬も同じなのかもっと欲しいとばかりに角度を変えて深めていく。

「ん、あ……」

「……は、佳純」

 瞬が身を乗りだしキスを深めようとしたとき、佳純の膝の上で花束がガサリと音を立てた。

「……大きすぎたな。それにお互い体勢が辛い」

 瞬は苦笑して佳純の膝から花束を持ち上げ、さっきまで自分の座っていた椅子に移した。こうして見ても一本一本がしっかりしていてとても大きくて存在感がある。

 キスで蕩けた思考でそれを見守っていると、瞬にに手をひかれ、立たされる。

「佳純はこっち……続き、していい?」

 艶っぽい声でベッドに誘われたら、佳純は黙って頷くことしかできなかった。

 キングサイズのベッドで佳純を組み敷きながら、瞬は佳純の頬を撫でる。彼の手が冷たく感じるほど顔が火照っていた。

「顔が赤いな、アルコールのせいか」

「それもあるかもしれないけど……こうしていると、前に瞬さんとホテルに泊まったときのことを思い出してしまって」

 彼に初めて抱かれたあの夜がよみがえり、いろいろな想いで胸が一杯になる。
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