エリート警視正は愛しい花と愛の証を二度と離さない
 四年前の自分と比べたら体形が崩れているに違いない。それを晒しているのが急に恥ずかしくなってしまった。瞬の体が記憶より逞しくなっているからなおさらだ。

 いたたまらなくなって顔を隠していると、手首を掴まれ外される。

「俺は普段から君が誰よりも綺麗見えてる。もちろん今も」

 きっぱり言い切ると、瞬は佳純の掌に唇を這わせた。

「瞬さん……」

――『心底惚れた女ならどんな格好してようとかわいいし、髪が乱れててもお肌がボロボロでも綺麗に見えるものなの!』

 今日サロンで聞いたユキの言葉が脳裏に浮かぶ。

「君はどれだけ綺麗で、俺を煽っているか、これからゆっくり教えてあげるよ」

 指先にキスをする瞬の瞳に獰猛な熱を見つけて佳純の胸はドクンと跳ねる。

「……しゅ、……んんっ」

 彼はすぐに覆いかぶさってきて噛みつくようなキスをする。

「余計なこと考えられないくらい愛すから、覚悟して」

 この夜、佳純は瞬の言葉通りしっかり愛を刻まれたのだった。
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