エリート警視正は愛しい花と愛の証を二度と離さない
「か、佳純の恋人が警察官だなんて知らなかったんだ」

 言い逃れできないと思ったのか、叔父はボロボロと事情を話しだした。

「あのときは実際、ギャンブルで使ってしまって金は無かったんだ。困っていたら急に声をかけられて……佳純とその恋人を別れさせたい、嘘をつけば金をくれるって言われて飛びついたんだ。今回も突然連絡が来て佳純と子供をパーティ会場にこれないようにしたら同じだけくれるって言うから……」

「そうですか」

 瞬は表情を変えずに頷き、スマートフォンを取り出しある画像を表示した。

「声をかけてきたのは、この人物ですか?」

「え、この人……」

 横から画面を覗いた佳純は目を見開く。

「あ、ああ。間違いない」

 叔父は画像を見てコクコク頷いた。
 
 すべて話した叔父は気まずそうに俯いている。なぜか佳純は怒りも責める気持ちも起こらなかった。ただ虚しいだけ。
 もともと叔父になにか期待してたわけでもないが、やはり自分のことしか考えられない人だった。
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