エリート警視正は愛しい花と愛の証を二度と離さない
仕事では成果が出せないまま閑職に追いやられ、妻にも逃げられ離婚したと聞いてもなんの同情もできなかった。
「佳純、いこうか」
「あ……はい」
静かに瞬に促され、佳純が大輝をソファーから下ろしていると、叔父もつられたように立ち上がった。
瞬が叔父の横に立ち、胸倉をつかんだのは一瞬。
「最後まで佳純に一言も謝罪がなかったな。謝れ。そして二度と顔を見せるな」
地を這うような声で凄んだ瞬の表情を見て、叔父は「ヒッ」と小さく悲鳴を上げた。
「か、佳純、すまなかった……もう二度と連絡も取らないし電話番号も消すから……」
叔父は逃げるようにその場を立ち去って行った。
その後姿を睨みつけながら瞬は「一筆書かせる」とつぶやいていた。
気持ちを切り替える間もなく、佳純は瞬と共にパーティ会場になっているバンケットルームに入る。すでに会は始まっていた。来場者はきっちりしたスーツ姿の男性がほとんどで、妻とおぼしき女性たちは自分より年配の人が多いようだ。
それぞれが食事をしたり立ち話をする中、瞬は佳純を会場前方のテーブルに連れていく。そこには田端警視の写真が飾ってあった。
「佳純、いこうか」
「あ……はい」
静かに瞬に促され、佳純が大輝をソファーから下ろしていると、叔父もつられたように立ち上がった。
瞬が叔父の横に立ち、胸倉をつかんだのは一瞬。
「最後まで佳純に一言も謝罪がなかったな。謝れ。そして二度と顔を見せるな」
地を這うような声で凄んだ瞬の表情を見て、叔父は「ヒッ」と小さく悲鳴を上げた。
「か、佳純、すまなかった……もう二度と連絡も取らないし電話番号も消すから……」
叔父は逃げるようにその場を立ち去って行った。
その後姿を睨みつけながら瞬は「一筆書かせる」とつぶやいていた。
気持ちを切り替える間もなく、佳純は瞬と共にパーティ会場になっているバンケットルームに入る。すでに会は始まっていた。来場者はきっちりしたスーツ姿の男性がほとんどで、妻とおぼしき女性たちは自分より年配の人が多いようだ。
それぞれが食事をしたり立ち話をする中、瞬は佳純を会場前方のテーブルに連れていく。そこには田端警視の写真が飾ってあった。